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追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜  作者: すかいふぁーむ
領地開拓……?

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156 工房の様子

「セラ、いるか? って、すごいな……」


 所狭しと並ぶ武具に目を奪われる。

 無事マロンさんからの物資も届き、セラの工房は以前のものより使い勝手も良くなったようだが、工房にはもはや足の踏み場がない状態だった。


『ん? あぁ、ランド、いらっしゃい』


 作業の手を止めずに一瞬こちらを見た後セラが答える。

 そしてすぐまた作業に戻るのでこちらから近付くことにした。

 とはいえ進むのも難しいほどに色々積み上がってるんだけどな……。


「一度貴方の宵闇の棺に入れたら?」

「そうだな……いいか?」

『ん』


 セラの了承を得て一通りのものを仕舞い込んでから改めて近くまで向かう。


「お土産だ」

『ん?』


 差し出したものを見て初めて手を止めるセラ。


『これは……!』


 ダンジョン『栄光』の報酬、ゴーレムの杖。

 すぐにその効果を【目利き】したらしい。


『すごい……ダンジョンの報酬? 神器級……これ、バラしていいの?』


 お土産という言葉がどうやらそちらの意味に捉えられたらしい。


「バラしたかったらそれでも良いんだけど……って待て待て、さっそくとりかかるな。その前に提案だ」

『ん……なに?』


 手を止めて首を傾げながらこちらを見つめるセラ。

 小動物感が強い。

 いまはまあいいか。


「見たところ助手が足りないんじゃないか?」

『助手? 要らない。いまは食事も睡眠もいらない身体になった。感謝してる』

「まあそれはいいんだけど……こうも周りが散らかると材料の運び込みが出来なくなる」

『それは困る……材料がないと作れない』


 しゅんと下を向くセラ。


「だからこいつだ。セラなら使いこなせるだろ? ゴーレムたちに材料運びと完成品の仕分けをしてもらってくれ」

『なるほど。わかった』


 言うが早いか、セラは杖を軽く振る。

 すると地面に残っていた武器や材料の破片などがかき集められ、ダンジョンでみたゴーレムのミニサイズ版が数体工房に姿を現した。


『これでいい?』

「ああ……すごいな」


 いくら神器とはいえ、いや神器だからこそ驚いた。

 こうもあっさり使いこなせるものなのかと……。


『使ってみて構造はわかった。バラすのはまた今度にする』

「そうしてくれ」


 ゴーレムたちに寿命のようなものがあっても困るしな。

 作り出されたミニゴーレムたちは早速周囲の片付けを開始している。

 俺も宵闇の棺にしまったものたちを取り出してゴーレムに渡していくことにした。

 と、それだけじゃなかった。


「『栄光』で採れた鉱石たちだ。これからは定期的にこのあたりの素材は入ってくるようになる」


 ダンジョン『栄光』はクリア報酬こそ杖だけだったが、攻略中の各所で鉱物の産出が確認された。

 定期周回の中でそれらの回収も頼んでいるので、これからも安定供給できる予定だ。

 俺の【目利き】ではいまいち判別できなかったが明らかに知ってる金属より重かったり軽かったり硬かったりと素人目にも特殊なものが多いので、そのあたりの鑑定はすべてセラに丸投げすることにしたのだ。


『これ……鍛えれば相当なものになる』

「そうなのか」

『ん……ダンジョンにはミスリルゴーレムやオリハルコンゴーレムもいた?』

「いや……パッと見そういうのはわからなかったけど……どうだミルム?」

「私は気にせず壊してしまったからわからないわね……」


 ミルムにかかるとただの石で作られたゴーレムもミスリルやオリハルコンも同じだからな……。


「アイルは?」


 これまで黙って付いてくるだけだったアイルに振る。


「私ですか!? えっと……詳しくはわかりませんが、オリハルコンゴーレムに相当するものはいたかと……」

「そうだったのか」

「はい。珍しい相手なのにお二方が何の感慨も受けておられなかったので私も触れなかったのですが……」

「今度から是非珍しいものを見たときは教えてくれ」


 途中から俺も楽しくなってきてちゃんと見てなかったからな……。

 石と金属の違いはわかっても金属の種類まで意識していなかったのと、俺も若干……ただの金属とオリハルコンの差など関係ない威力で暴れてしまったというところがある……。


「わかりました……とにかく珍しい金属が目立ったのは確かです」


 アイルの言葉を聞きながらセラは金属を観察する。


『なるほど……わかった。これと、こないだマロンが持ってきてた素材でなにか作る』


 マロンが持ってきた素材……。

 おそらく俺たちが渡した虹貨を使って調達した貴重な素材だろう。


「期待してる」

『ん……』


 短く返事をしてさっそく作業に取り掛かるセラ。

 鑑定眼を持つセラなら俺たちがわざわざ何か言うまでもなく必要に応じた武具を作ってくれるだろう。

 しばらくセラの作業風景を見守ってから、俺たちも工房をあとにした。


お陰様で新連載がハイファンランキングの表紙入りしておりました!

ぜひこちらもよろしくお願いいたします!

https://book1.adouzi.eu.org/n1926gk/

7回も殺されたのにパーティーを組んでやるとか、こちらから願い下げだ〜ループする世界で仲間に7度裏切られて死んだ俺、8周目の人生は第三王女の『鑑定』と溜め込んだ莫大な経験値で相棒と共に無双する〜

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― 新着の感想 ―
[一言] ・・・きっとセラの死因は 睡眠不足か栄養不足だなーー; 両方の可能性が大きいかと・・・
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