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追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜  作者: すかいふぁーむ
領地開拓……?

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「こ……これってもしかしなくても、周りはおばけだらけに……?」


 信じたくないという表情のアイルが聞いてくる。


「まあ悪い奴らじゃないから」

「それに貴方の部下になるのだから、もう少ししっかりしてもらわなくちゃ」

「ひぃ……」


 まあ嫌でも慣れると信じるとしよう。


「一通りネクロマンスはしたけど、これからどうする?」

『主人様は我々アンデッドが強くなればなるほどお強くなられるのでしたよね?』

「まあそうだな」


 そしてその力が使い魔たちに還元される。


『でしたら、我らアンデッドの軍によって、攻略済みのダンジョン周回を行うのはいかがでしょう?』

「おお、さすがロバート」

「異論はないわね」


 ミルムも同意してくれるということは問題ないんだろう。


「丁度いいし、作戦指揮はすべてこの子に任せたらどうかしら」

「そうするか。ロバートに補佐についてもらおう」

「え? え?」


 戸惑うアイルを尻目に勝手に話をすすめる俺とミルム。


『ふむ……そうですな。お嬢様には私が付き、軍の編成を。生産職のスキルを持つ者たちはそのまま街で働かさせても……?』

「そうだな。よろしく頼む」

『かしこまりました』

「ちょっとロバート!? どうして話をすすめてるの!」


 当人そっちのけでどんどん話が進んでいた。

 まあこのアンデッド軍団がいかに効率よく強くなるかが、そのままアイルの力の底上げにもつながるしな。


「アイル。この領地は一応俺のって扱いらしいけど、俺としては実質、アイルのものだと思ってる」

「それは……」

「だからまあ、基本的にはアイルにこの地をどうしていくかは任せたいんだけど……」


 ミルムに目配せをする。

 ニヤリと笑って頷いてくれた。


「アイルが軍の統括に積極的じゃないなら、俺がやるぞ?」

「まあでも、その場合は生きた人間の踏み込めないような完全なアンデッドタウンでしょうね」

『私はもうこのような身体ですし、もしかするとその方がやりやすいかもしれませんな』

「ひいっ!? わかった! やる! やらせてください! お願いします!」


 あえてやる気を出させるために言ってみたが効果は覿面だった。

 ミルムとロバートの悪ノリのおかげという話もあるが。


「よし。じゃあそっちは任せる」

『主人様たちは?』

「俺たちは未開拓のダンジョン二つを攻略する」

「ダンジョン攻略ですか……ということはギルドに攻略部隊の編成を……」

「要らないわよ」


 アイルの言葉をミルムが遮る。

 だが遮られたアイルも嫌な顔一つせず納得していた。


「確かにお二人にとっては下手な人数の増加は邪魔でしょう……」


 言い終わってから、思うところがあるように顔を伏せたが。

 その様子を見たミルムがアイルに告げる。


「二つ目は一緒に行くわよ。それまでに準備を終わらせなさい」

「えっ?」

「アイルも俺たちのパーティーだからな。一つ目は任せておけ、そっちは任せるからな」

「はいっ!」


 ぱぁっと表情を明るくしたアイルを見て、ミルムが微笑んでいた。

 面倒見のいいやつだな。


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