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追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜  作者: すかいふぁーむ
お荷物テイマー、ネクロマンサーに覚醒する

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「さて……」


 ようやくクエラたちの方に向かう時間ができた。


「なんでこんな事になったんだ」

「それは……」


 ロイグがデュラハンになり、フェイドは俺が来た時点で瀕死、メイルは正気を失っている。

 唯一まともなクエラに尋ねる。


「簡単なことじゃァない」

「──っ!?」


 嘘だろ……。

 こんな近くに来るまで気が付かないなんて……。


「貴方……あれじゃあ足りなかったのかしら?」


 強烈なプレッシャー。

 ミルムのそれと同等か……下手をすればそれ以上。


「あらァ。確かにさっきはやらレたけれど……その足手まとい、守りながら戦えるのかしらァ?」


 ミルムは表情に出さなかったもののその言葉を受けて一瞬たじろいだ。

 足手まといに相手が、ミレオロが指差したのはアイルだったが、そこには俺も含まれると断言してもいい。それだけ底の見えない相手だった。


「で、なんで逃げた貴方がのこのこやってきたのかしら?」


 臨戦態勢のミルムが静かに対応する。

 俺はとにかくミルムの邪魔にならないようにいざというときは防御に徹することができるよう準備をしながら、レイとエースをアイルのところに向かわせて守らせる。


「忘れ物を取りに来タのサ」


 そう言った次の瞬間にはフェイドの亡骸が宙に浮かびあがり、ミレオロの手元に来ていた。

 同時にクエラとメイルもその影響を受ける。


「え? え?」


 されるがままのメイルに対して、クエラは戸惑った様子のまま連れて行かれようとしている。


「あんたは別にどっちでもいいんだけどねェ。まあなんかに使えるだロう。連れて帰るサ」

「私は……! もう!」

「うるサいよ」

「かはっ……」


 何が起きたかわからなかったがクエラの意識がそこで途絶えたのはわかった。


「デュラハンが消えたのは残念だけど、面白いもんも手に入ったしいいわァ。勇者の抜け殻なんて、なかなかお目にかかれないじゃァない」


 その様子をただ眺めることしか出来なかった。

 俺が動けばおそらくミルムが俺のことを庇わざるを得ない状況が生まれる。

 最大戦力であるミルムが後手に回れば、そのままパーティーの壊滅につながってもおかしくない。


「じゃあまた会いまシょうねェ。ヴァンパイアのお姫様ァ?」

「二度と顔を見せないでほしいのだけど」

「連れないこというじャない。あんなに愛し(コロシ)あったノに」


 狂っている。

 だが強い。

 それだけ言うとミレオロは背後に生まれた空間の切れ目にまるで荷物を運び込むかのように三人とともに消えた。


 同時にそれまで森に張り詰めていた緊張の糸が一気に切れる。


「っ! ぷは……はぁ……はぁ……」


 特にアイルはようやく呼吸ができるようになるほどだった。


「大丈夫か」

『キュオオン』


 近くにいたレイがアイルに心配そうにそのもふもふした身体をこすりつけた。

 エースも後ろでおろおろ心配そうにしていた。


「すみません……大丈夫、です」

「休んでて大丈夫」

「面目ない……」


 ひとまずアイルが落ち着いた様子を見て改めてミルムに問いかける。


「あれがミレオロか……」

「ええ。間違いなく、また戦うことになるわね」


 ミルムをして倒しきれなかった相手。

 それどころか、俺たちがいたのでは足手まといだった。


「強くならなきゃ……」

「そうね。貴方には頑張ってもらおうかしら」


 俺が強くなればそのままその力がみんなに還元される。

 そうなるとアンデッドを大量に【ネクロマンス】できる環境がいい。そしてそれが今最も身近に叶えられそうなのは……。


「貴方の領地、開拓しましょうか」

「そうだな」


 ミルムの考えに賛同するとアイルもその意味に気づいたらしい。


「まさか……」

「この国で唯一のアンデッドタウンが出来上がるな」

「ひぃ……」


 アイルのお化け嫌いもどこかで治ると良いなと思った。

いつもありがとうございます!


章として一度完結です!

次章の再開はすこし構成を考えたりする時間を取ろうと思っています。


一区切りなのでぜひ改めて広告の下の☆☆☆☆☆から評価いただけるととても嬉しいです。


書籍やコミックに関する情報も随時出していければと思いますので!

引き続きよろしくおねがいします!!!


【その他連載作品】

https://book1.adouzi.eu.org/n3023gg/

わがまま王女に仕えた万能執事、隣の帝国で最強の軍人に成り上がり無双する〜誰からも評価されず毎日姫のわがままに付き合わされた不遇の執事はいつの間にか大陸屈指の実力者になっていたようです〜


こちらも是非お願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 強さバランス設定がおかしいなぁ。 ミレオロって今出てる設定だけだと、強キャラ感出して登場してきて、強さのランクが違い過ぎてあっさりやられる程度の強さしか無いと思うんだけど。 何か明…
[気になる点] ランドの影響で初期から強かったミルムが超強化されてるのに手傷さえ与えれないのどうなん? しかも長命種じゃなくて普通の人間だろ インフレ激しすぎ
[良い点] 次章も楽しみに待ってます(≧∇≦)b
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