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75.頭と体



 俺はマイに体を委ねることにした。

 アウルムがニヤリと笑い、俺を見てくる……。


「傀儡よ、かかってくるがいい」

「言われずとも!」


 俺はただ、渾身の力を出すだけでいい。

 マイは俺の体をコントロールして、アウルムに近づけさせる。

 アウルムが攻撃する、音が聞こえた。


 それをつたえずとも、マイは俺の体を操作し、回避行動を取らせる。


「ほぅ……!」

「ぜあぁあああああああああ!」


 俺の拳がアウルムの頬につきささる。

 やつは吹っ飛んでいく。


 マイは追撃。

 やつが飛んでいった先に、俺は一瞬で回り込む。

 

「せやぁああああああああ!」


 今度は回し蹴りを食らわせる。

 雷神になっていることで、俺の反応速度は上がっている。


 やつは俺【たち】の攻撃を躱すことができず、上空へ吹っ飛んでいく。

 そして今度は飛び上がって、またも回り込んで、一撃を与える。


 どがぁん!

 アウルムは大きな音を立てて地面と激突。


 バウンドしてる間に、俺は着地。

 そして肘打ちを食らわした。


 ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!


「す、すごい……なんて、速さ……なにが……起きたのか、さっぱりわからない……」


 目が良いはずのルイスさんであっても、今の攻防を目で追うのは不可能らしい。

 俺だって、ギリギリだ。


 正直眼で自分の動きを捕らえるのは不可能である。

 音から、自分がこうしてるんだってのを遅まきながら気づくのだ。


 俺は戦いながら、自分の弱点を理解する。

 神を下ろすことで、俺の体は雷となる。


 だが、肝心の中身おれが、人間レベルなのだ。

 思考速度。


 それが、人間のままである以上、いくら体を強化し、早く強く動けるようになったとしても、化け物相手にはダメージがそもそも入らない。


「はは! なるほど……肉体の主導権、つまり頭脳を、マイ・バーンデッドに任せたということか!」


 むくり、とアウルムが立ち上がる。

 それと同時に、俺の体は、アウルムの顔面に膝を叩き込んでいた。


 がきいん!


「いいぞ……兄にも興味が出てきた。おい兄……名を聞いてやる」

「てめえに名乗るなんぞ……ねえ!」


 神ノ雷を、直接アウルムに叩き込む。

 ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!


 だが……。

 アウルムは、無傷。


「くはっ! 興が乗ってきた。おい早く教えろ、名前を」

「ちっ……!」


「なんだ、教えてくれぬのか。……まあいい、今際の際に聞いてやる」


 アウルムが腰を落とす。

 ずっ……! とアウルムから放たれる、プレッシャーが跳ね上がった。


 やつが、本気を出してきたってことだろう。


 ここからが、正念場だ。

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[一言] アウルムは ふかくこしをおとし まっすぐについた
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