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53.人工精霊との出会い



《シーフSide》


「ぜえ……はあ……ぜえ……」


 俺は、生きている。

 大の字になって、地面を転がっていた。

「やばかった……」


 顔だけを持ち上げる。

 ついさっきまで立っていた場所は塞がれていた。


 ……天井が落ちてきたあのとき、あのまま何もしなかったら、俺は死んでいた。

 だが……。


【わ・た・し~? の? お・か・げ♡ きゃっ♡】


 ……天井が落ちきる一瞬、俺は【神降ろし】を実行。

 神の力を手に入れた俺は、自らを雷とかえた。


 押しつぶされる刹那の一瞬で、脱出を図った次第。


【またいつでもわたしをあなたの中に入れてくれていいんだぞっ♡ ばーい♡】


 ……なにが、ばーいだ。

 俺をずっと監視してやがるくせに。


 あのストーカー女め……。


「げほっ! ゴホッ! がはっ……! はぁ……はぁ……」


 体がミシミシと嫌な音をたてていた。

 俺の体は、神の力に耐えきれない。


 神を下ろしたのが一瞬のこととは言え、その状態で動いたのだ、体はかなりの反動を受けた。


 俺は魔法カバン(マイに付与してもらった)から回復ポーションを取り出す。

 それを飲むことで、体の痛みが少し和らいだ……。


「よし……脱出だ……」


 妹とルイスさんは先に脱出してる。

 ……マイは、凄く心配してるだろう。


 俺が死んだと思って、悲しんでいるに違いない。

 妹を悲しませ続けることは、できない。

「帰ったらまず真っ先に謝ろう……」


 マイに心配かけただけじゃ無く、嘘までついてしまったのだ。

 もう土下座で済まされるレベルじゃ無い。


 でも……俺に悔いは無い。

 ああしなきゃ妹が死んでいた。


 だから、あの選択は間違いじゃ無かった。

 ……俺は自分がマイから嫌われることより、マイの命を優先する。


「よし……転移結晶を取り出して……【転移】!」


 高価なアイテムである、転移結晶を発動。

 ぱきぃん! と結晶が割れて、視界がぶれる……。


 そして、転移した……はずだった。


「なっ!? う、嘘だろ……さっきの場所じゃねえか!」


 背後には塞がれた通路。

 そして、この反響音具合……。さっき俺が倒れていた場所だ!


「どうなってるんだ……? 転移結晶はたしかに発動したはずなのに!」


 まさかこのダンジョン内では結晶が使えない!?

 なら天井にマイたちは押しつぶされた!?


 いや……生物が死んだ音が近くから聞こえないけど……。

 でもどうなってる……どうなってやがるんだ!?


【し、信じられないわ! なによあいつ……】


 ……ん?

 なんだ、この声?


 神のクソ野郎とは違った、女の声だ。


【主の罠は間違いなく発動した。押しつぶしたはずだったのに、なんで生きてるのよ! おっかしいわ!】


 ……なんだこの声?

 周りを見渡すが、人らしき影は見当たらない。


 俺は声のする方に近づく。


【主に報告を……】


 むぎゅ!


【ふぎゃーーーーー!】


 俺は、なにかを掴んでいる。

 柔らかい。


 あとなんか、パタパタという変な音がする。

 羽……いや、虫とかの翅が動いてる?


【な、な、なによあんたぁ!?】

「何はこっちのセリフだ。なんだよおまえ?」


【!? 見えてるんじゃないの?】

「見えてねえよ。ただ、声は聞こえるから」


【はぁああああああ!? 人工精霊の声が聞こえるですってぇ!?】

「じんこう……せーれー……?」


 なんだそれは?

 まあいい。


 問題は……。


「おまえ……迷宮の主と知り合いだな?」

【う、うええええ!? なーんで知ってるのよぉう!】


 馬鹿正直なやつだ。

 声から、嘘では無いことがわかった。


 ……だがオカシイ。

 こいつ、心臓が……ない。心音がしないのだ。


 だが呼吸はしてる。

 心臓が無いのに呼吸をしてる……?


 見えないし、変な体の構造してるし……。


「人工精霊っていうのかおまえ」

【そ、そーだけど……ってゆーか、離しなさいよ!】


「やだね。おまえ迷宮の主の関係者なんだろ。なら……どうして転移が使えなかったのか教えろ?」


 ここは迷宮の主が作った、領域だ。

 んで、こいつはその主の知り合い。


 ならば、この現象について、何か知ってるかもしれない。


【はぁん!? なんでアタシが教えなきゃ……】

奪命(ヴォーパル)……」


【ぎゃー! 即死攻撃やめろぉ!】


 ……奪命の一撃ヴォーパル・ストライクが、即死攻撃だって知ってる?


 ますます怪しいなこいつ……。


「おい人工精霊。とりあえず名を名乗れ」

【うぎぃい……わ、私は……【No.133】】


「は? なにそれ。名前なのか?」

【そーよ! 人工精霊No.133!】


 ……番号覚えるのだるいな。


「じゃあおまえイサミ。イサミって呼ぶ」

【はぁ!? なにそれイサミって! だっさいんですけど!?】


奪命の(ヴォーパル・)……」


【ぎゃー! もうわかった! わかったよイサミでいいよぉう! てゆーか……なにナチュラルに人工精霊と会話してるのよあんたぁ!】


「知らん。どうでもいい」


 多分耳が特別製だからだろうとか、そんなのはどうでもよくって。


「で、知ってること話せ、全部」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます [気になる点] この後の話含め、人工じゃなく人口精霊になってるのが気になりました
[気になる点] 何か句点が不必要に多い
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