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18.耳を傾ける

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。


 ……俺は、俺に力を貸してくれる女神の名前を、初めて知った。

 雷神インドラ。それが……彼女の名前だそうだ。


 ……そうだ。ドンナモノにも、名前はある。……俺は、ずっと彼女に力を借りていた。だというのに、名前を知らなかった。


 いや、知ろうとしなかった。……妹以外、どうでも良いって本気で思っていたから。

 インドラのことを、ナイフなどと同じく、道具としてみてなかった。


「ごめん」


 ……俺の口から、するっと謝罪の言葉が出てきた。それは、別にこいつにこびを売りたいからとか、いい気にして力を引き出したい

から、とか。そういう打算めいたものがあったからではない。


 純粋に、申し訳なかった。その気持ちが言葉になって出て行ったような感じだ。


【おっどろいた……君、本当にかわったんだね】


 ……女神の声からは、心底、驚いてることが伝わってきた。 

 俺は耳が良いから、わかるんだ。マジで心から、女神は俺の言った言葉に驚いてるってさ。


 ……裏を返せば、俺は今まで、どれだけ他人に対して無関心だったのかがわかる。


「まじで、ごめんな」

【い、いいってば……なんか調子狂うな。君は、いつも通り生意気なクソガキでいてほしいんだけど。そこがいいんだからさ】


 生意気なクソガキか……。

 そんな風に思われていたのか。まあしょうがないな。マーキュリーさんも、そんなこといっていたし。


【あたしは、君に変わって欲しくない。今まで通りのクソガキムーブ噛まして欲しい】

「あ、そう?」


【そうそう! そこがいいんだから!】

「変わった奴だなおまえ……」

【でしょー?】


 ふふふ、と女神が笑っている。なんだか、俺は女神のこと、初めて知った気がする。

 ……思えば女神とは、まともな会話をしてこなかったな。


 今後は、もうちょっとこいつの意見に耳を傾けてみよう。


「なあ、岩を割る訓練をしてるんだが、どうにも手詰まりなんだ。なにか良いアイディアはないか?」

【あたしの力使えば一発なんだけど……それだと趣旨に反するのよね?】


「ああ。素手で割れって修業だからな」


 しばし、女神が考え込む。やがて、言う。


【君、前の修業で、壊れやすい場所の音を、耳で捕らえられるようになったんでしょ?】


 崖を登る修業の時に、その技術を身につけた。


「それが?」

【その感覚をもっともっと研ぎ澄ませてさ、壊れやすい場所じゃあなくて、そこを壊せば全てが破壊できる場所を、聞き分けてみるのってどう?】


「は? そんなの……あるのかよ」

【あるよ】


 ……女神があるって言うんだ。ある、のだろう、そんな場所が。

 ……よし。


「やってみるよ」

 

【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】


新作の短編投稿しました!

タイトルは、



『元悪役令嬢は、辺境でのんびり温泉に浸る~婚約破棄されたわたし、年上の辺境領主さまのもとに嫁ぐ。優しくて病弱な彼のために、【土地神】スキルで温泉を着くってあげたら、なぜか領地が大繁盛してました』


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