悪役令嬢は兄につめ寄られる
「そんなことはどうでもいい」
いやいや兄よ、どうでもよくはないでしょ。
それにそのことがどうでもいいのであれば、いったい何に対してそんなに怒っているのか。
「エレナ、私は兄としてお前のことは信じたいし、お前はどこに出しても恥ずかしくない淑女だと思っている」
…はぁ。
なぜか今度は突然お褒めの言葉をいただきました。
「だから、信じられない。いや、信じたくないのだよ」
いや、だから何のこと?
「いったいいつそんな関係になったんだ?」
「…そんな関係?」
兄の言うことがまったく理解できない。
宇宙語を聞いてる気分よー。
「だからだな、あー、その…」
今度は急に言葉につまって吃り出したわ。
何だろう。
変な発作でも起こった?
「つまりだ、いつからお前たちはそんな関係になったのかということだ!」
私とダグラスを指差し、兄が叫んだ。
兄よ、人を指さしてはいけません。
小さい頃に注意されなかった?
………んなっ!?
はぁ!?
のんきに兄に対して心の中でマナー的ツッコミを入れていた頭が一気に覚醒する。
んん!?
まさかまさか。
兄よ。
まさか私とダグラスが特別な関係だと言ってるのー!?
「ちちち、違うわお兄さま!私とダグラスは護衛対象者と護衛、お嬢さまと従者みたいなもので、特別な関係なんて何もなくてよ!」
「いつも簡潔に答えるお前が吃るとは…やはり二人は…」
やめい!
勝手に決めつけないでー!
「お兄さま、ちゃんと私の話を聞いてくださいませ!」
「じゃあなぜそんな場所にある痣の存在をお前は知っているんだ!」
「そそそ…それは…」
ええと。
何か言い訳、言い訳をー!
「そう!そうですわ。ダグラスは私の護衛でしょう?以前ダグラスが鍛錬をしているところを見たことがありますの。夏だったので暑かったのかダグラスが横着にも着ていたシャツで額の汗を拭いて、その時にチラッと見えてしまったんですわ!!」
あわわわ。
もちろんそんなハプニングは今まで無かったけど!
でもここはそれで押し通すしかない。
兄よ、誤解しないでー!!
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