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【受賞&書籍化】転生した悪役令嬢の断罪(本編完結済)  作者: 神宮寺 あおい@受賞&書籍化


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ヒロインの思惑 Sideエマ

エマ・ウェインは乙女ゲーム『黄昏の時にあなたを想う』のヒロインだ。


生まれてからずっと平民として暮らしてきたが、ある日男爵家の娘であることがわかり引き取られる。

そして貴族としてオルコット学園へ入学して攻略対象と出会い恋に落ちるのだが、そこにはさまざまな試練が立ちはだかってきた。


悪役令嬢に意地悪をされたり邪魔をされたりしながら、それでも最後は好きな人と結ばれて幸せになる、『黄昏の時にあなたを想う』はそんな典型的な乙女ゲームだった。


恵麻がそのゲームを手に取ったのは乙女ゲームが好きだったのもあるが、なんといってもヒロインの名前が同じ響きだったからだ。


ゲーム中はデフォルト名ならその名前を呼んでもらえる。

有名声優のイケボが自分の名前を呼び、そして数多のイケメンと甘い恋に落ちる話はかなりのお気に入りだった。


攻略キャラクターのスチルもすべてコンプリートしたし、何度もやり込んだおかげで選択肢もほぼ覚えてしまった。


日常生活が疎かになるくらいゲームにのめり込んでしまったのは、恵麻の家庭環境があまり良くなかったせいもあるかもしれない。


小さい頃に両親が離婚して母親に引き取られたけれど、母は恋多き女で、母であることよりも女であることを選んだ。


男と会うためにたびたび家を留守にしたから恵麻は小さな頃から一人でいることが当たり前だったし、その内母が帰って来ることを期待しなくなった。

そしてだんだん自分自身も家に寄り付かなくなり、気づけば友だちの家や男の家を転々とする生活に。


でもそんな生活をしていれば当然学校の成績も惨憺たるありさまで、かろうじて入った高校は底辺だったし、そうなれば連む友達のレベルもたかが知れている。


入り浸っていた溜まり場の家でゲームをしている時間だけが楽しかった。

結局友だちとのつき合いも表面だけだったし、面倒なことが起これば見捨てられるのが当たり前の世界。

誰も信用できなかったし、常に寂しかった。


その寂しさをゲームが埋めてくれたのだ。


だから、そのことに気づいた時は神様のプレゼントだと思った。


ゲームのヒロイン、エマ・ウェインに自分が転生したとわかった時は。


「うそ!?え、本当?本当にあたしがエマ・ウェインなの!?」

叫んで頬をつねって何度もこれが現実か確かめた。

そして間違いなく自分がエマになっていることを知って、これはチャンスだと思ったのだ。


前世のくだらない男どもとは違い極上の男ばかりが登場するゲーム。

ヒロインはみんなに愛されるキャラクター。

ゲームの通りに進めれば、あたしはいくらでもチヤホヤしてもらえるし、愛してもらえるのだ。


当然、狙うのは逆ハーエンド。


恵まれた生まれで苦労知らずの令嬢なんてざまぁされればいいのよ。

愛されるのはあたし。

みんなに望まれるのもあたし。


あたしはこの世界を満喫するの。


最推しのダグラスも攻略してみせる。


だから、学園への入学が楽しみでしかたなかった。

数多の作品の中から読んでいただきありがとうございます。


少しでも続きが気になりましたら、ブックマーク登録や評価などしていただけるととても励みになります。


よろしくお願いします。

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