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【受賞&書籍化】転生した悪役令嬢の断罪(本編完結済)  作者: 神宮寺 あおい@受賞&書籍化


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悪役令嬢は考察する

その日私は王城に来ていた。

私がエレナになってから初めての王太子との面会日のためだ。


正直王太子に対して良い印象は無い。

当然だろう。

なんせ私が前世で最後に目にしたのが王太子から婚約破棄されるエレナのシーンだったんだから。


学園へ入学前の今はまだ二人の関係に大きな波風は立っていない。

しかし王太子の中では着々とエレナへの鬱屈が溜まっていることだろう。


そもそも王太子が男爵令嬢に傾倒してエレナを糾弾した一番大きな理由は優秀なエレナへの劣等感からだ。

もちろん男爵令嬢への恋心もあったと思う。


しかし幼少期に婚約を結んで以降、次期国王と王妃を目指して頑張ってきたはずが、気づけば大きな差ができてしまっていた現実を王太子は受け入れられなかった。


優秀な婚約者としてすでに多くの公務を任されるまでになったエレナと、望まれるほどの能力が無く、表立っては何も言われないが裏ではいろいろと噂されている王太子。


プライドの高い王太子には耐えられない屈辱だ。


そもそも彼も本当に無能なわけではない。

王太子ではなく普通の貴族として産まれていたのなら問題なく過ごせただろう。

どこかの貴族の当主として家庭を持ち幸せに暮らせたかもしれない。


しかし国王ともなると違う。

求められるものも、決断しないといけないことも、その影響も。


もちろん歴代の国王がすべて優秀だったわけではないし、中には能力の低いものもいたはずだ。

しかしそういう国王は往々にして優秀な側近をそばに置いて国政を担ってきた。

だが若さのせいか性格のせいか、王太子はその事実を認められない。


エレナは公爵令嬢という身分も申し分なく、実務能力も高く、そして小さい頃から言い聞かされてきたせいか王太子に対して従順で影に徹することができる。


もはや王太子が今後国王として立ち、問題なく国を動かしていくためにもエレナは外せないピースのはずだった。


それが王太子のちっぽけなプライドのせいで反故にされる。

しかも最悪な形で。


きっと今頃心の中でエレナへの嫉妬やら思うようにできない自分への鬱屈やらをぐちぐちと考えているんでしょう。


マイナスの考えは自分の中だけで抱えているとどんどん悪い方へ転がっていく。

立ち止まらずに努力し続けることで見えてくるものもあるのに。


現実に折り合いをつけて、自分に何ができるかを考えることができるのも能力のうちなのに。


そう思うと、そもそもこのまま婚約し続けることは現実的ではないしお互い幸せにはなれないわね。


自分勝手な王太子には呆れてしまうけれど。


本当、悩みすぎて勝手にカビでも生えればいいんだわ。

数多の作品の中から読んでいただきありがとうございます。


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