海辺の決意
俺は目黒怨。
種族は悪魔で職業は殺し屋。
怨みのある奴俺が代わりに晴らして殺ろう。
金は一銭もいらんが、代わりに怨みをいただくぜ。
海に行くと、心に溜まっている汚れが綺麗に洗い落とされていくように感じる時がある。俺はよく、悩みがあったり落ち込んだりすると、朝日や夕日、それに海の空気にさざ波の音を聞くために海に出かける。特に日の沈みかけた夕日を眺めるのは最高の気分だ。美しい夕焼けとオレンジ色の空を眺めていると、怨みを食おうと思わなくなる。塩味だけの握り飯を頬張り、俺はその美味さに軽い感動を覚える。
そして、自らの胸に秘めた決意を吐き出す。
「星野天使、俺はお前に必ず勝ってみせる!」
だが、宿敵ははっきり言って強すぎる。今のままではまともに闘うことさえできないのが現実だ。奴の最大の長所は痛みを感じない体質。だが、痛みはあくまで感じないというだけであり、体自体は傷つくはずだ。だが耐久性が非常に高いため、並の攻撃では傷一つ与えることもできないだろう。俺の愛銃は人間相手ならば一撃で倒すことができるが、星野相手では無意味だ。ならば、別の武器を使用してみてはどうだろうか?
俺は愛銃に今まで蓄積してきた怨みのパワーと「奴に勝つ事のできない自分自身への怒りを込め、鋭い剣に変化させた。威力はどれほどのものかは不明ではあるが、少なくとも先ほどの銃よりは高い攻撃力を誇るに違いない。それを綿棒サイズに縮小させ、自身の新しいモットーを口にした。
「経験から学び、それを生かす……これが今から俺のモットーだ」




