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恩返し

ぼくの名前は星野天使ほしのてんし

その名の通り本物の天使です。それ以外の何者でもありません。

天使の仕事は人を助けること。

生活は大変ですが、なんとかがんばっています。


ぼくの目の前に置かれたのは、肉汁がジュージューと美味しそうな音を立てている高級ハンバーグ。それを見つめているのは、宿敵である目黒さん。

「食えよ」

「あなたがぼくに対決を挑まずに奢ってくれるなんて、何かありますね?」

「何もねぇよ。この前助けられた礼だ」

「悪魔でも義理はあるんですか?」

「知るか。だが、借りは返さなきゃ気が済まない性分でな。さっさと食え」

この日、敵であるはずの彼から電話がかかり、ぼくをレストランに誘ってくれたのです。悪魔である彼のことですから、うまいことを言ってきっとぼくを騙すに違いないのですが……久しぶりのまともな食事、しかもそれが高級ハンバーグとあっては食べない手はありません。取りあえず、ここは彼を警戒しながら頂くとしますか。フォークで一口サイズに切りそれを口に運びます。

そのあまりの美味しさに、ぼくの目から涙がこぼれました。

「美味しいです」

「それはよかったな。じゃあ俺はちょっとトイレに行ってくるからな」

「どうぞ行ってきてください」

その時、ぼくは彼が店から出ていったということに気づきませんでした。

「……やはり悪魔は侮るなかれですね……」

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