18:エンカウントっス
今日は複数話投稿します。
なんかずっと複数話投稿している気がする
境界森林ファルフルートに足を踏み入れて大体三十分。
私たちは暗い森をランタンの灯りで照らしながら道を進んでいた。
地図を見て最短ルートで進んでいるとはいえまだ先は長く、敵も相応に多い。
「《バーニングスマッシュ》!」
無詠唱のライトニングアローでインソムニア・ウッドを牽制しつつ、同時に詠唱したバーニングスマッシュを木の根が球状に絡まりあったような外見のモンスターにぶち込んで撃破。
次いで浮遊するランタン型のモンスターに荒ぶる波を撃ち込み、息を吐く。
「流石に少し苦戦するようになってきたな……」
なんというか、出現するモンスターがこれまでに比べて明らかに強くなっている。
このエリアの推奨レベルは30で今の私のレベルが27なのでそのレベル差も当然あるんだろうけど、純粋なステータスの差だけでなくモンスターのAIみたいな部分が強化されている気がする。
反応速度もそうだし、攻撃の配置とか間合いの取り方とか、戦い方の部分なんかで結構狡猾になっている感じだ。
あとはジョブも影響しているかもしれない。レオーネで上級職になれるってことは、レオーネ以降のエリアが上級職を前提とした難易度になっていてもおかしくないし。
まあ魔法職二人って編成が一番の問題なんだろうけど。
「《アイシクルエッジ》!」
《アイシクルエッジ》を更にランタン型のモンスターに撃ち込んで撃破しつつ、敵グループ最後の一体であるインソムニア・ウッドと相対する。
私が他の敵を相手にしている間にファリスが的確に枝を伐採してくれたので、ささっと近づいて《万象燃えよ》を強めに放って終わり。
なんだかんだでファリスがかなり強いので、そんなに護衛クエストという感じはしないな。普通に戦力の一人として数えてる。
「えっと、疲れてたりしてないか?」
「ぜ、全然平気です!」
「それなら良いんだけど」
NPCって疲れたりするんだろうか。プレイヤーは疲れないし、NPCもその辺は妨げにならないように設定されていなかったりするのかもしれないけど、少女なので少し気にかけてしまう。
「~~……!」
「ん……今なんか言った?」
「い、いえ……でも何か聞こえる気がします」
「~~……!」
耳を澄ましてみると、進行方向から右斜めにずれた方角から誰かの声みたいな音が聞こえてくる。
ランタンの灯みたいなのが見えるし、プレイヤーかNPCか、あるいはレアなモンスターか……いろいろな要素があるゲームだし、何かあるかもしれない。少し見に行ってみるか。
ファリスの状態を確認しつつ走ると、森の中の少し開けた場所に出た。そこには数体のモンスターがいて……その中央にオレンジ色の髪の少女がいる。
どうやら敵に襲われて動けなくなっているらしく、彼女はモンスターに囲まれた状態で地面にへたり込んでいた。
「だっ、誰か~! 助けてほしいっス~!!」
モンスターに追い詰められながら、彼女はバタバタと手を振りながら叫ぶ。
突発的なクエストなのかと思ったけど、注視すると「Amnesia」という名前が白く浮かび上がってくる。普通のプレイヤーだ。
彼女を囲んでいる敵はバンディットリーフ三体とスペクターランタン。あー……正直めんどくさい組み合わせだな。
護衛クエストの最中なのであまり不用意なことはしたくないんだけど……。
「ああっ! そこの人! 助けて欲しいっス〜!」
見つかってしまった。
うーん……まあ相手に完全に気づかれてる状態で素通りするのは流石にアレなので助けるか。
モンスターの群れに魔法を撃ち込んで牽制しつつ、アムネジアのもとに駆け寄る。
「パーティ申請するんで受けてください。……敵はこれで全部ですか?」
「ありがとうっス……! 一応今いるので全てだと思うっス!」
申請が受理されて、パーティメンバーにアムネジアが加わる。
アリフラの敵は敵対状態になっているパーティの数に応じて強くなるので、なるべくパーティを組んだ方がいい。
パーティになったことで表示されたリストからアムネジアのステータスを見てみると[脚部損傷]という状態異常になっていた。骨折とかじゃなくて損傷?
まあ何にせよ脚をやられた状態では戦闘に参加できないだろうし、とりあえず気休め程度に《癒す水》をかけておいて敵へと向き直る。
「ファリスはその人のそばに。なるべくこっちで引き付けるけど、そっちに近づいて来たら教えて」
「わ、分かりました」
ひとまずこれで良し。
少し開けているので《荒ぶ風》も使いやすいし、レベル上げも兼ねて戦って行こう。
・アリフラにおけるパーティ
アリフラのパーティには、ライトパーティ、ミッドパーティ、フルパーティの三つがあります。
ライトは四人。ミッドはライトが二つ合わさって出来たもので、フルパーティーはミッドが二つ合わさって出来たもの。つまり最大16人です。
この辺はバフとか回復の届く範囲に関わってきたり。
モンスターは同時に敵対しているライトパーティの数に応じて色々なステータスが上がっていきますし、ソロでも一つのパーティとして扱われてしまうのでなるべくパーティになった方がいいです。




