オリーブは車を走らせた後、バックミラーに目をやった。そこには、道端に呆然と立ち尽くすトラが映っている。
オリーブは、もう少しで流してしまいそうになる涙を必死にこらえた。トラにあとがきの事実を伝えたことを後悔しているわけじゃない。でも。
トラに伝えるべきタイミングは、果たして今だったのか。
本当にさっきみたいなやり方で伝えてよかったのか。
……だめだ。
今ここで泣くわけにはいかない。
この運命はきっとトラを強くする――。そう、信じるほかはないのだ。
移動図書館が、夕日を受けて輝いた。
空は間もなく、青灰色に溶けていこうとしている。
