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ダンジョン暮らし!スキル【ダンジョン図鑑】で楽々攻略?  作者: 夢・風魔
第3章:拡張ステージへ。

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93/207

93-白い浜辺。

 翌朝から28階の攻略を開始。

 昨日は階段を見つけただけでその先には進まなかったから、構造を目にするのは今日が初めてになる。


 で、これは何だろうね。


「階段の近くまで行ったとき、なんとなく聞こえたと。波の音が」

『にゃにゃっ。にゃっ!!』


 虎鉄が興奮するのも無理はない。

 俺たちの目の前に広がるのは白い砂浜。そして青い空と海。

 ゴミ一つない、綺麗なビーチだ!


「綺麗やねぇ。ほら、虎鉄」

『にゃ”ー、にゃ"ーっ』

「虎鉄、そんな必死に俺の足にしがみ付かないで。痛い……」


 どうやら虎鉄の奴、波が怖いみたいだな。

 

「今年の夏は海にもプールにも行けんかったし、こんな所で海見れるなんて思っとらんかった」

「ははは。海と言っても、まぁここはダンジョン……」


 だけど海には違いない。

 ザザァーっと砂浜に打ち寄せる波。足元を見れば綺麗な貝殻も落ちている。

 マリンブルーの海は福岡で見ることは出来ない、ちょっと現実離れするほど綺麗すぎるけど。


 でも……

 こんな海で彼女とデート出来れば、きっと楽しいんだろうなぁ……隣のセリスさんと……


 ほんの少し指先を伸ばせば触れられるほどの距離に居て、彼女の手に触れる事すらできない。

 いや……あれ? 触れてる!?


 焦って彼女を見たが、セリスさんの方は顔を赤らめまっすぐ海を見つめていた。

 少しだけ彼女の横顔を見つめた後、俺も同じように海へと視線を向ける。

 指先を伸ばし、彼女の手に触れ――指を絡ませた。


 抵抗はない。

 寧ろ彼女も俺の手を握ってくれている。


 このまま時間が止まればいい……なんてシーンを、ドラマや漫画でも見るけどさ。それって、本当なんだな。

 

 今、この瞬間に時が止まればいいのに。

 そんな事を思ってしまう。


 だけどそれじゃあダメなんだという事も分かっている。

 俺たちは先に進まなきゃならない。

 ここから……


 ダンジョンから脱出する為にも。


 そう。俺は誓ったじゃないか。

 彼女を、そして大戸島さんを――きっと地上に連れ帰ってみせるって。


 攻略を効率よく行う事の出来るスキルを手に入れた。

 やってやる。やり遂げて見せる。


 その為にも――


「好きだ」


 俺は自分の気持ちを伝えた。

 自分の誓いを守るために。

 彼女をダンジョンから脱出させるために。


「セリスさんの事が大切だと気づいた」

「あさ……くらさん」

「俺が君を必ず地上に出してみせる」


 くるりと彼女の肩を回し、正面から見つめそう約束した。


「うん……うん……。私も、浅蔵さんの事好いとーけん。一緒に出よ」

「ありがとう。その言葉が聞けて、ほっとしてい――来たああぁぁぁっ!?」

「へ?」

「虎鉄ううぅぅぅっ」

『にゃあぁぁぁぁっ』


 海を背にしていたセリスさんには見えていない。

 逆に海を見ていた俺と虎鉄には見えた。


 それは巨大な波。まさにビッグウェーブ!!


 慌ててセリスさんを抱きかかえ浜へとダッシュ。虎鉄も俺の背中にしがみ付き、恐怖に悲鳴を上げている。


「あああああ浅蔵さん!? 波っ、波がぁーっ」

「分かってるううぅぅっ」


 ここはダンジョンの中。


 呑気に告白する場所じゃなかったな……とほほ。






 俺たちは浜辺に打ち上げられた小魚を見下ろしている。これがビッグウェーブの正体だ。


「これ、魚ですよね?」

「一応モンスターだから。ちょっと待ってね、図鑑確かめるから」

『食べれりゅにゃか?』

「浅蔵さんが調べてくれるから、待ってね」


 えー、なになに?



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

     【チビギョ】

 その名の通り、小さい魚のモンスター。

 小さいため群れで行動し、波打ち際に獲物が近づくと

 群れが一丸となって押し寄せ、それが大波になる。

 波に飲まれれば彼らに捕食されるので注意が必要。

 尚、ビッグウェーブの後には、引き波に乗れなかった

 残念なチビギョの姿が見られる。


 食用にすることも可能。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


 

 残念なのって、アレの事だよな。

 今、浜でビチビチしているこいつらの。


「食用可能って書いてあるが、ダンジョン産モンスターを食べたいとは思わないな……」

『食べりゅにゃーっ』


 そう叫んで虎鉄は嬉しそうにチビギョに止めを刺していた。

もう一つのサブタイトル。



ぎゃああああぁあぁぁぁぁっ(作者の心の叫び

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