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ダンジョン暮らし!スキル【ダンジョン図鑑】で楽々攻略?  作者: 夢・風魔
第2章:地上へと続くダンジョン暮らし。

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59/207

59-えっちだ。

 その日の収穫を終えた後、武くんに上から小畑さんを呼んで来てくれるよう頼んだ。

 冒険家復帰を頼むために。

 冒険家になるのに試験などはない。紙面での登録だけで、他には特に何もないのだ。


「私も、この機会に冒険家登録しておきたいんやけど……浅蔵さん、口利きしてくれる?」

「そんな畏まらなくても、登録は誰でも出来るんだよ。まぁ18歳以上っていう条件はあるけど、セリスさんはもう18歳だろ?」

「高校生でもいいん? 休学扱いやけど」

「18歳在学生も冒険家登録してるよ。週末だけ冒険家ってね」

「そういう人もおるんやね」


 学生に限らず、普通のサラリーマンで週末冒険家っていうのは居る。特に珍しい事でもない。

 上から降りて来た小畑さんに、まず俺が冒険家に復帰したいという旨を伝える。それからセリスさんの冒険家新規登録だ。


「浅蔵くんの復帰か。感知を克服する新たなスキルも得たようだし。引く手あまただろうなぁ」

「え!? あ、浅蔵さん、大人気なんですか?」

「浅蔵くん個人じゃなくて、感知スキル持ちっていう理由でね。しかも今回は図鑑という、攻略を有利に進められるスキルも加わっているからね」

「浅蔵さんじゃなくって……スキル……なんですか」


 まぁダンジョン攻略を行う為のパーティーメンバー募集なんて、良いスキルを持っているかが基準だもんな。

 スキルしか見ていないのも、特に珍しい事でもない。

 だけどセリスさんには衝撃的だったようだ。


「登録、辞めるかい?」

「へ? い、いえ。辞めませんっ。私は……私だけは浅蔵さんのこと、ちゃんと見てますから! スキルじゃなくって浅蔵さんをっ」


 と、セリスさんは真剣な眼差しで声を上げた。と同時に顔真っ赤。


「わ、私、何言ってるんだろう。わ、忘れてくださいね浅蔵さんっ」

「いや、覚えておくよ。ありがとう、セリスさん」


 嬉しいので頭を撫でておこう。

 でも18歳の子の頭を撫でるって……流石に子供扱いし過ぎで怒られるかな?


 とも思ったが、彼女は特に抗議するわけでもなく、俺に撫でられ続けていた。

 髪、サラサラで気持ちいいな。






 翌日は武くんのバイト休みの日。


「浅蔵さぁん。タケちゃんのことぉ、お願いします〜」

「心配しなくても、暫くは2階で動くから」

「えぇ!? もっと下まで行きましょうよ。その為にオレ、外泊許可も親から貰って来たんっすから」

「いや。2階でまず慣れて貰う。今週はずっと2階。日帰りだ」

「っちぇ」


 拗ねて唇を尖らせる武くんに、大戸島さんが頭をぽこんと叩いて説教が始まった。

 バスの時間あるんだけどなぁ。


「瑠璃。送迎バスに遅れるけん、それぐらいにしとき」

「は〜い。じゃあこれお弁当。3人で食べてね」

「やった! 瑠璃の手作り弁当だ」

「浅蔵さん。タケちゃんすっごく食べる人だから、気をつけてねぇ」

「はは。若いからね、よく食べるのは良い事だよ」


 とこの時はいったが、後程笑えない状況になる。


 ようやくバスへと乗り込めた俺たちは、30分掛け2階へと到着した。

 先日の屋台の兄ちゃんは不在。夜当番なのかな。


「よし。まずは武器の確認だ。武くんはオーソドックスな剣を選んだのか」

「勇者つったら剣っすから!」


 この子は勇者願望があったのか……ダメな意味での勇者にならなきゃいいんだが。


「浅蔵の兄貴の武器はなんっすか?」

「ん? 俺はこれだ」


 腰にぶら下げていた鞭をピシィーっと唸らし、近くをぽよぽよしていたスライムを潰して見せる。


「うわぁお……」

「なんで引くんだよ。カッコいいだろ?」

「時籐、兄貴ってあーなのか?」

「そう。浅蔵さんはあーなの」

「なんだよ。あーってなんだよ! 鞭は男のロマンだからな!」


 鞭の素晴らしさを語って聞かせてやり、2人にもぜひ鞭の良さを実感して貰いたかった。

 貰いたかったが、


「いや、全然分からないっす」

「浅蔵さんのことは見てますが、だからって鞭フェチになるつもりは……」

「なんでだよ!」


 くっ。どいつもこいつも鞭を馬鹿にして。

 俺だけはお前の味方だぞ、マイ鞭。


「時籐、お前、ほんとにあんな兄貴でいいのか?」

「い、いいもんっ。って、え? な、なんで相場くんが!? る、瑠璃に聞いたん?」

「いや。たぶんそうかなって思った」

「いやぁっ。誘導尋問に引っかかったばいぃ」


 くっ。また俺には分からない話をしやがって。

 くそうっ。


「こ、ここはダンジョンだぞ! 楽しいピクニックじゃないんだからな。ビシビシしごくから、覚悟しろ!」

「うっす! よろしくお願いしゃっすっ」


 その後、なんとかして彼の音を上げさせようとした俺は、見事に音を上げることになった――俺が。

 忘れていたよ……武くんのスキルは『体力馬鹿』だった。若さとかいう以前に、勝てるわけない。

 そんな訳で昼食時には食べるよりも前に――


「は……ぁ……ん」

「――も、もう少しいい?」


 こくりと頷くセリスさんに感謝しつつ、その白い首筋を吸った。


「うぁー。エロぉ。その辺のエロ雑誌よりエロー」


 茂みの中。セリスさんの首筋を甘噛みする俺の目には、武くんが映っている。


「えっちな事なんて何もしていない! だいたい向こうで待ってろって言ったじゃないかっ」

「だってさぁ。2人で茂みに隠れるなんて、怪しいじゃん。そしたらエッチな事してるしよぉ」

「エッチなことやないけんっ。相場くん、勘違いせんとっ」

「いやいやいや。エッチだって絶対」

「「違うっ」」


 いそいそと茂みから出て行ったが……。

 武くんがえっちえっち言うから、近くに居た冒険家に変な目で見られるはめになった。

えっちな事なんて何もしていません!

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