特別編・噴水とドローンとふりふり
お日様が沈んだ後もまだまだ万博は続く。私もいろいろと食べて回った。普段食べないような料理を食べられるのはとてもいいもの。
「もぐもぐもぐもぐ」
『今は何を食べてるんだっけ……?』
『台湾企業のソーセージ豚まんにマンゴーのミルクかき氷やな』
『朝からずっと食べてるじゃん』
『そりゃお前……リタちゃんだし』
『見てる方がきっついわw』
どれも美味しいよ。ミルクかき氷も、かき氷にしては高い気もするけど、十分美味しいと思う。食感が全然違うから。
のんびり食べ歩きを続けて、夜の八時頃。そろそろ時間だ。
「噴水、見に行く」
『なんかめちゃくちゃすごいって話題のやつやな!』
『予約はあるの?』
『多分真美ちゃんが取ってるだろうな』
その通りで、真美が予約を取ってくれた。だからちゃんと見ないとね。
少し歩いて、会場の南側にある広場に行く。海と面している場所で、そこから噴水のショーが見られるらしい。とってもすごいって噂だ。
「あー! リタちゃんだー!」
そんな声に振り返ったら、夕日を一緒に見た子供の一人がいた。お父さんとお母さんがなんだか慌ててるけど、声をかけられたぐらいで怒ったりしないよ。
「まだ帰ってなかったんだね」
「うん! あのね、これを見て、ドローンを見たら帰るの!」
「そうなんだ」
『子供がそんな遅い時間まで起きてちゃいけません! て言いたいところだけど』
『万博なんてそうそうないイベントだからな。やっぱり楽しまないとな』
思い出になるならいいと思うよ。
せっかくなのでその子供の隣で一緒に見ることにする。そうしていたら、子供がたくさん話しかけてくれた。よく私の配信を見てくれてるらしい。なんだかかわいい。
『リタちゃんがちょっとによによしてる……?』
『表情分かりにくいけど、嬉しいんだろうな』
やっぱり嬉しいよ。楽しんでくれているなら特に。
そんな風にお話ししていたら、ショーが始まった。まずはちょっとした解説が始まって、それから噴水。綺麗だけど、これなら琵琶湖の噴水の方が……。
そう思っていたら、アニメみたいなのが始まった。
これは、うん。すごいね。水の上に長方形のアーチみたいなのがあったんだけど、最初は何のためにあるのか分からなかった。それが、今はモニターみたいになってる。
すごい。噴水と思って見ていたら全然違う。いろいろな機械を使ってるみたいで、迫力もある。魔法も使ってないのにこういうことってできるんだ。
『すげえ……』
『正面から見たらこんなんなのか。側の建物の上から見てたから全然わからんかった』
『これは予約する価値があるってみんな言うわけだよ』
うん。これは本当に見てよかった。とても綺麗で、迫力がって、楽しい。ここに来て一番楽しいと感じたかもしれない。
「きれいだったねー!」
「ん。楽しかった」
「たのしかったー!」
隣の子供の頭を撫でる。ふんにゃり笑っていて、とてもかわいい。
噴水が終わった後は……。また少し待つ。そうすると、ドローンショーが始まった。
ドローンショ―はどこからでも見れるらしい。空にたくさんの光が集まっていってる。ドローンって小さくて飛ぶ機械、だよね。どんなものかははっきりとは知らないけど。
でも……。そんな光が模様をたくさん描いていくのを見ると、本当にすごいって思うよ。
だって、映像じゃない。テレビとかもすごいと思うけど、あの空に描かれているのは映像じゃなくて、全部ドローンの光で作られてる。そう考えると、本当に、とてもすごい。
ドローンが空を飛び回って、必要な時にしっかり光って、たくさんの模様を描いていく。うん……。これも、すごいと思う。綺麗。
『俺、決めた。万博行くわ』
『これから暑くなっていく季節だし、暑さ対策はしっかりとな!』
『熱中症に気をつけろよー』
会場をぐるっと囲う大きな建物に、ドローン。これは予約がなくても見られるけど、それでも十分に来てみる価値はあると思うよ。
そうしてドローンショ―が終わったら、この日の万博も終わり。最後にドローンが出口を示してくれる。光で、東と西のゲートへと。これもドローンでするんだ。
『分かりやすいけど無駄な技術w』
『迷う心配はないな!』
それはまあ、そうだね。
それじゃあ、私もそろそろ帰ろう。いくつかのパビリオンはまだやってるみたいだけど、終わっているところも多いみたいだから。残っていても仕方ない。
最後に会場の上空に転移。そこから会場を見下ろすと、たくさんの人が帰っていくのが見える。あとは、明るい万博の会場。
「今だけっていうのはもったいないね」
『それな』
『一年ぐらいやってほしい』
『いろいろルールがあるからなあ』
そうらしい。決まってるらしいよ。もったいないよね。
そうして眺めていたら、地上の人がこっちに気づいて手を振ってきた。来場者さんだけじゃなくて、そこで働いてる人たちも。もちろん振り返しておく。ふりふり。
『いいなあ、こういうの』
『世界が一つになった瞬間だな!』
『幼女のふりふりで一つになる世界……?』
『誤解を招く言い方はやめなさいw』
改めて転移。まずは真美におみやげにぬいぐるみを渡して、それから精霊の森に帰った。
「ただいま」
「おかえり、リタ。楽しかったか?」
「ん。師匠も行こう」
「あー……。考えておくよ」
「えー」
『これは行かないやつw』
『リタちゃん無理矢理連れて行こうぜ!』
それも考える。行けばきっと楽しいはずだから。
とりあえず……。師匠に甘えてみよう。一緒に万博に行けるように。
せっかくだからね。今だけなんだから、一緒に行けたら楽しいだろうから。一緒に行けたらいいな。
壁|w・)万博編はこれで終わり。
万博も残すところあと半月です。悔いのないようにしましょう。
この先また日本でやるか分からないものですから……。
次回からは遊園地編。シッショと一緒にお出かけ!





