第八十二話
家に戻っても、黒塚君の事でまだ腹が立っていた。
何であんな不真面目な人間が私より評価されるなんて、こんな事があって良いのか、と思った。真面目に生きている私が否定されたと思った。
私は“正直者が馬鹿を見る”世の中が嫌い。それを目の当たりにして、私の心は酷く傷ついた。
黒塚君の“バレなければ何をしても良い”という性格の人間がこの世の中からいなくなれば良いのにと思った。
この“嫌な記憶”は私を苦しめるだろう……。
いつもは静かな心の中が波を打って騒めいているのが分かる。早く平穏を取り戻すには“苦肉の策”を使うしかない。でも、この前のように友達まで殺してしまう事があれば困る。それを考えるとやっぱり使えない。
私は自分の部屋のベッドに寝転がり、頭を抱えた。
何か良い方法があれば……。
このままだと心が絶望に落ちていきそうだった。
人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。私は人間が嫌い。
頭の中で繰り返し言葉が溢れ出し、隙間もないぐらい埋まっていく。
私の心が落ちてしまうのであれば“苦肉の策”を使う方が良いのか……。
それでも私は迷っていた。
やっぱり背に腹は代えられない。私は自分の心を護る為に“苦肉の策”を使わなければいけない。




