第八十一話
今日は成績表の受け渡しとテストの結果が出る日なので、朝から大学に来ている。今日はいつものメンバーと一緒ではなく、一人で登校している。
大学の雰囲気は先週とは違って、とても静かだった。
見渡しても人が全然いない。
大学ももう夏休みです。だから教室には入れないし、先生もいない。
大学の夏休みは約二ヶ月間もあり結構長い。休み期間中にHSPのセミナーをしている東河さんにもう一度会いに行こうと思っている。後はカフェバイトとヒカリさんの映画撮影の予定だ。
大学の校門近くにある事務局の中の様子を見ながら中に入った。
窓口で学生証を見せて成績表と番号が書かれた紙を受け取った。高校の時のように答案用紙は返却されないんだね。
成績表はAからDの四段階で評価される。AからCは単位がもらえるけど、Dは単位がもらえない。軽く目を通してみたが、Dは無かったので良かった。一番苦手だった心理学の歴史はCだったけど、他の科目はAかBだった。
外にある掲示板にはテスト順位の表が張り出されていた。
自信は無かったけど、私の順位は何位だろう……。
各学部ごとに掲示板が分かれていて、心理学部の掲示板を見にいった。さっき窓口でもらった紙の番号を探してみる。試験八教科の順位表が並んでいる。
しばらく掲示板の前で眺めていると、登校してきた学生が徐々に増えてきた。
掲示板の前も人集りができるようになり、私はその人集りから少し距離を取ってベンチに座った。
もう用も済んだし帰ろうかな。
人集りの中で黒塚君の姿を目にした。テストの時にカンニングをしていたあの黒塚君だ。
「イエーイ。俺、一位! オールAだぜ!」
その言葉に私は激しい憤りを感じた。
真面目に勉強した自分より、卑怯な手を使って良い点数をとっている。そして、評価されているのが許せない。
私は足早にその場を離れて家に帰ることにした。




