第八十話
「どこに行った?」
ヒカリは隠れていた木の陰から現れた。
「まさか逃げるとは思わなかったね」
アカリは剣を鞘に仕舞って、ぐるっと周りを見渡した。
「回復します」
私は負傷した仲間を回復してまわった。
「いいや……、まだ来る!」
ユメは空をじっと見つめながら言った。
地面を黒い影が動いた次の瞬間、上空からグリフォンが急降下してきた。
着地と共に地響きと強い突風が発生して、ユメ以外が吹き飛ばされた。
風がやっかいな敵だなぁ。私はみんなを回復させながら、どうにかできないかと考えていた。
「空を飛ぶ敵って強くない? 遠距離の弓矢だったら良いけど、私の近距離の剣の攻撃は届かないんだけど。私には不利過ぎ」
アカリは剣で攻撃しているが、弱点まで届いてない様子だった。
グリフォンはユメを前脚で攻撃している。ユメがグリフォンを引きつけている間は風が起こらない。
「あっ、そうだ。一回試してみよう」
グリフォンの隙をみて、私は忘れていた攻撃魔法を唱えた。
大きな火の玉がグリフォンの翼に当たり、炎に包まれて燃え上がった。
「グオォォォーーー」
グリフォンは低い唸り声をあげて、地面をのたうち回った。
「チャンス!」
ヒカリとアカリの声がまたハモった。
みんなで総攻撃をして、大ダメージを与えた。
再び、グリフォンは体勢を立て直して立ち上がったが、翼が燃えて風を起こせない様子だった。
やっかいな風が無くなれば、勝てそうな気がする。私は倒すまでは気を抜かないようにした。
「今度のはちょっと違うよー」
ヒカリが放った矢がグリフォンの頭に当たると、大きな爆発と共に轟音が鳴り響いた。
グリフォンは高い奇声をあげて、ゆっくりと倒れて動かなくなった。
“討伐完了!”
「やった!」
各々が歓喜の声で喜んだ。
討伐の報酬としてお金とサマーチケットを手に入れた。その後にイベントの説明文が表示された。
「なになに、このチケットを5枚集めると、水着と交換できるんだって。スキンで装備できるって」
ヒカリはスラスラと説明文を読み上げた。
「うへ。あと四回も戦わないといけないじゃん。今日、戦うの?」
アカリはうんざり気味に言った。
「イベント期間内に集めればいいから、戦うのはまた今度ででも良いんじゃないか」
ユメは質問に冷静に答えた。
「取り合えず、もう一回行こう!」
ヒカリはやる気がまだまだある様子だった。
結局、この後グリフォンと連続で四回戦った。一回戦えば要領は掴んでいるから簡単に倒せた。そして、水着のスキンを手に入れた。水着の色は八種類の中から一つ選んだ。
テストが続いていたから、ゲームをしてストレス解消になった気がした。




