第七十三話
平日の放課後、バイトをしていると店に入ってきた人が知っている人だったから驚いた。
「いらっしゃ……、リオ! い、いらっしゃいませ」
「カスミン、来たよ〜。 オシャレ! 制服が似合っているよ」
「ありがとう。では、ご案内致します」
私は空いている窓際の良い席に案内した。
リオは知らない男の人と一緒だった。まさか彼氏なのかな……。
「こっちは専門学校での友達だからね」
リオは席に座りながら、私に簡単に説明をした。
まさかリオに彼氏ができたのかと思って、一瞬複雑な気持ちになったけど安心した。
私は注文を聞いて、端末に打ち込んだ。
「カフェバイトってオシャレで良いね」
リオはいつもの明るい声で私に言った。
リオと男友達は専門学校からの帰りに寄ってくれたみたいで、リオはカフェオレとベイクドチーズケーキ、男友達はアイスコーヒーを注文してくれた。
「ごゆっくりどうぞ~」
配膳を終えた私は上品にそう言って席を離れた。
カウンターまで戻るとアカリさんが話し掛けてきた。
「さっきの人、カスミの知り合い?」
「うん、中学からの友達。前にバイトの話をしたら見に行くって言ってて。今日、来てくれた」
私はちょっとテンションが高くなっていたのか、言葉が上手く出てこなくて下手な説明しかできなかった。
「コーヒー美味しかったよ。あっ、カフェオレだった。また来るね! 私もカフェバイトしようかな。雰囲気が良いし」
会計を終えて、リオは楽しそうに話した。
「ありがとう、リオ。ありがとうございました」
私は店を後にするリオを見送った。
もし、リオも一緒に七町珈琲でバイトを始めたらどうなるんだろう、と想像していた。
リオもホール担当が合ってそうだから、アカリさんと最高のコンビが出来上がりそう。リオとアカリさんが会話している状況を想像すると不思議な感じがした。
なんか表現が難しいけど、“リオと私がいる世界”と“アカリさんと私がいる世界”が一つになったみたいな感じ。
もしそうなったら、私よりもリオとアカリさんが仲良くなるんだろうな、と思った。だって、私と喋っても楽しくないだろうし。




