第六十五話
日曜日の今日、お昼からいつものメンバーで集まって海イベントを見に行くお誘いがあった。ヒカリさんからのメールには“たまには海で遊ぼうぜ”と書いてあった。
路線図では大学のある“藍嶺坂”駅の手前のターミナル駅から南方面への路線に乗り換えて、四十分ほどで“日月の島”駅で降りた。
初めて降りる駅だ。海に行くのも初めてかも。
改札口を出て、構内の“時計台”で待ち合わせのはずだけど、まだ誰もいなかった。
日月の島は陸続きの島で、海水浴場もあって観光地なので、待ち合わせをしている人は他にも沢山いる。
雨が降る予報だったから、電車遅延で遅刻しないように早めに家を出発したのに、雨は降らなかったみたい。だから一番に到着した、という感じだった。
周りにいる待ち合わせしている人はオシャレな服を着ている人が多いなぁと思った。それに比べて私は高校生の時に着ていたカジュアルだけど子供っぽい服で恥ずかしかった。
この前買ったフレンチガーリーの服を着て来たかったけど、雨に濡れるのが嫌なので諦めた。
自分の部屋で一度着てみたけど、服の手触りがフワフワしてて、とても上品な生地で気に入っている。大学に行くときに着ていこうと思う。
「おっ、早いね。カスミ」
次の次の電車で来たのはアカリさんだった。
「ちょっと早く到着しちゃって」
私は待ち合わせ場所を間違えていないか心配だったので、アカリさんが来て安心した。
「この辺だよね、待ち合わせ場所って? 駅内の“時計のトコ”で集合って曖昧だよね。まあ、待ち合わせ時間になっても来なかったら電話すれば良いか」
アカリさんも見渡しながら、他のメンバーを探していた。
次の次の電車が到着して、改札口を通る人々の中にいつものメンバーを見つけた。
「おまたせー。でも、待ち合わせ時間には間に合ってるからね!」
ヒカリさんが待ち合わせ時間ギリギリで到着した。ユメさんも一緒だったようだ。
自分を含めた四人が円のような形で向き合った。
「今日はね、日月の島にある水中水族館へ行きます」
ヒカリさんはテレビ番組の企画発表のように言った。
「さあ行こう。雨は降っていないよね」
ヒカリさんは駅の大きな出入り口を指さして歩き出したので、私たち三人は後をついて行った。




