表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HSP少女とHSPカレシ  作者: なみだいぬ
64/139

第六十四話

「大学初日だったので覚えていたんだ。僕は建物を間違えて入って、出る時にぶつかった」

 “ぶつかった人”は両手で自分の胸にぶつかるような仕草を見せた。


 私は焦っていて思いっきりぶつかってしまったから痛かったと思う……。

「そ、そだね」


 何も言葉が出てこず、そっけない返事をしてしまったのを後悔した。何か話さないといけないのかもしれない。頭の中で余計な事を考えていて何もまとまらない。

 その時、視線の先に“ぶつかった人”が持っている本が目に入った。


「宇宙?」

 小さな声で読み上げた。

 

「ああ、これ? ちょっと“宇宙の終焉”について興味があって読んでいるんだ」

 “ぶつかった人”は持っていた本をペラペラと開いた。


「しゅうえん?」

 一瞬、どんな漢字なのか頭に思い浮かばなかった。


「そう、終焉。“宇宙の終わり”の事」


「終わりがあるのですか?」


「宇宙はこのまま続くかもしれないし、終わりがあるかもしれない。もし終わりがあるとすれば、どうなるのか、って想像すると楽しくて」

 何だか少年のように目がキラキラとしていた。


 話を聞いていて、ちょっと楽しかった。不思議と暖かい空間にいる感じがした。男の人って、もっと感情が冷たい人なのかと思ってた。性悪な粟田さんみたいな人もいるし。

 話したのは少しの時間だったけど、ちゃんと謝ることができて良かった。


 “ぶつかった人”は特に変な人ではなかったので良かった。

 結局は名前も分からないままだったけど、やっとぶつかったことに対して謝ることができたので、引っかかっていたものが無くなった感じがした。もう用事はなくなったので、こちらから話すことは無いと思うし、もうぶつかることもないだろうし。


 時々、何故か背中に目線のような刺激を感じたけど、私の思い過ごしかな。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ