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HSP少女とHSPカレシ  作者: なみだいぬ
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第五十六話

 HSPの本を読んで、自分がHSPであることを再認識すると、急に心が辛くなってきた。

 何故、私はHSPとして生まれたのだろう。

 敏感で感受性なんて高くなくても良いのに……。


 もし私が鈍感で感受性の低い非HSPだったら、今のように苦労はしなかったと思う。

 人と会話する為に何度もシミュレーションしなくても良いし、面接だって上手くできるだろうし、天井の明るすぎる照明に疲れることもないし、ミスして怒鳴られても傷つくことなく言い返せるし、人への迷惑を考えずに行動できるし、他人の表情を気にすることもないし、人といるだけで疲れたりしないし。


 もう一つのHSPの本にも四つの特徴について同じような事が書かれていたが、次の事も書かれていた。

 生物が生きていく上で、環境感受性の高いタイプがいることで危険から生き抜いてこられたという説もある。敏感さと認知処理の深さが洞察力と危機回避能力として最大限に機能していた為、全滅が避けられた。


「昔は役に立つ能力だったのかもしれないけど、今の世の中では役に立たないね。ただ、生きづらいだけ」


 本を鞄の中に入れながら私は考え事をしていた。

 HSPについて多少は勉強できたと思う。これでやっとHSPのセミナー講師の東河さんに再び会いに行ける。またセミナーをしているかどうか家のパソコンでスケジュールを調べておこうっと。


 さて、そろそろ帰ろうかな。

 “ぶつかった人”はいつの間にかテーブルにいた。何となく気になって見ていた。この前、本屋でぶつかったことを何か思っているだろうか。もし何か思っていたら、嫌な奴だと思われているだろう。わざとぶつかってると思われているかもしれない。嫌われているに違いない。


 本棚の誰かが歩いてくるのが横目で分かった。どうせ知らない人だろうと思ったら知っている人だった。


「やっぱりカスミだ!」


「ヒ、ヒカリさん!」

 私は目を丸くして驚いた。


「カスミっぽい人が図書館に入っていくのを見かけたから、サークルが終わってから来てみたらカスミだった」


「どうしたの?」

 私は顔を傾けて聞いた。


「あっ、そうそう。ちょっとお願いがあってね」

 ヒカリさんは両手を合わせて拝むような仕草をした。

挿絵(By みてみん)

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