第五十三話
以前、巨猿を倒してから先に進むと山奥に村があった。
今はここを拠点としてクエストを進めている。イノシシを退治したり、荷物を運ぶ村人の護衛などのクエストをクリアしたところだった。
村長にイベントマークが付いていたので話をすると、新しいクエストを引き受けた。
“行方不明の村人の捜索”
この山を越えると深い森が広がっている。道なりに進むと大きな滝が見えてきた。そこに辿り着くまでにイノシシや狼などの獣が襲ってきたが、アカリとヒカリが蹴散らしていた。
滝の周辺には小さな湖があり、ゴツゴツとした岩が沢山転がっている。巨大なワニが数え切れないほど、あちらこちらで動かずにじっと伏せている。
「準備は良い? 突撃ーーー」
ヒカリは巨大なワニの群れに突っ込んでいった。
「いけーーーー」
アカリも続いて突っ込んでいった。
ユメと私は周りの状況を確認しながら近づいていく。
ワニを倒しても倒しても、次から次へと湖から沸いて出てくる。大乱闘になりながらも、いつもの役割通り、ユメが敵を引きつけてひたすらガードして、ヒカリの弓矢とアカリの剣で敵を攻撃をする。私は傷ついた仲間を回復したり、敵を攻撃したりしていた。
ワニが出てこなくなったので、私は改めて皆に回復魔法をかけた。戦いが終わって滝の落ちる音が鳴り響いている。ようやく落ち着いた感じがした。
みんなで協力して敵を倒すのって楽しい、と思った。
「行方不明者がなんたらって言ってたよね」
ヒカリはイベントを探しに湖の周囲を歩き始めた。
三人はその後をついていく。
滝と湖の景色がキレイでゆっくりと見ていたい気分だった。
突然、岩が動き出して合わさって、人の形に変化した。全身の大きさは巨猿の二倍くらいあった。画面には“ゴーレム”と表示された。
ちょっと強そう……。
私は防御力を上げる魔法を唱えて、敵の攻撃に備えた。
ゴーレムはジャンプして着地で地震を発生させて全員にダメージを与えてきた。そして、何度も殴りつけて攻撃してきた。
「みんな気を付けて」
弓矢を使うヒカリは身の軽さで軽快に避けて、みんなの状態を心配して言った。




