第四十四話
ゴブリンはもう私の敵ではなかった。
川沿いの道を進んでいると突然、川の水面からワニが次々と飛び出してきた。
ゾロゾロと私の周りを取り囲んで、にらみ合いの状態になった。
次から次へとワニが噛みつこうと襲ってくるが、私はヒラリと回避して一回も当たらない。操作にも慣れてきたし、何度も戦ったから大丈夫。
隙を見てメイスでワニを叩いて、徐々に敵の数を減らしていく。
硬い敵でも根気よく叩けば、いつかは倒すことができる。
ワニの集団を殲滅。
私は弱くない、私は強い。私はダメじゃない。
ワニも私の敵ではなかった。
大きな橋を渡り、森の中へと進んでいく。そろそろボス敵が出てくるはず。
私は防御力を上げる魔法を自分にかけて、戦う準備をした。
大きな雄叫びと共に巨猿が突進してきた。ギリギリで回避した。
以前は四人で戦っていた強敵を今日は私だけで戦う。
動きや攻撃方法はある程度は見切れるはず。でも、連続で続く猛攻に避けきれない攻撃もあり、吹き飛ばされた。防御力を上げる魔法をかけていてもダメージが大きい。戦士タイプと違って、僧侶は元々の防御力が低い。
回復魔法を唱えている最中に攻撃をされたので、詠唱が中断してしまった。巨猿はこちらの隙を狙って攻撃してくる。
地形を利用して、木の裏に隠れて回復魔法を唱える。回避に専念していても勝てない、攻撃しないといけない。
攻撃されてもなんとか回復をして、巨猿の足を攻撃して転倒を狙う。転倒したらメイスで頭を攻撃する。メイスのような鈍器の武器で頭を叩くと気絶するみたいで、さらに攻撃するチャンスができた。
気絶から回復して、立ち上がった巨猿に、再び足を攻撃する。今度はもう片方の足。
これを繰り返して、約三十分ほどで巨猿を倒した。
私は弱くない、私は強い。私はダメじゃない。
また城に帰還しては、巨猿を倒すまでの事をこの後、八回ほど繰り返した。
この世界では私は存在しても良いんだ。私の心は保たれた。




