第三十七話
フロア毎に壁で仕切られていて、壁や地面や天井に作品が色々と並べられている。
数えきれないぐらいの三角形だけで描かれている絵や例えようのない形のオブジェクト、ちょっと前衛的な落書きにしか見えない絵、まだ作りかけのような彫刻などがフロアに広がっている。
次のフロアはUSBメモリだけを撮影した写真が壁一面に並んでいる不思議な空間だった。進んでいくと、何を写したか分からない写真が飾ってあった。近くでよく見てみて理解しようとしたが、やっぱりよく分からない作品だった。
「現代美術ってよく分からないね」
アカリさんは率直に意見を言う。
私も分からないけど、人が作った作品って魂が籠っているみたいで良いなぁと思った。
「印象派も綺麗で良いけど、よく分からないのって喉に引っかかって通らないように残るじゃん。理屈じゃないんだよね。感性で受け止めて見るといいよ」
ヒカリさんは芸術の持論を語った。
感性で受け止めるのかぁ。私にできるかな……。
私は頭の中で呟いて唸っていた。
「ヒカリは芸術とかそういうの好きだな」
ユメさんは微笑みながらそう言った。
「絵筆を使って絵を描くのが私の作品って感じがするけど、すでにあるものを写真を撮ってこれが私の作品ですっていうのもありなんだね」
アカリさんは納得いっていない様子で言った。
「そうそう。さっきの何を写したか分からないような写真も、ネットの画像を超拡大したものだから。今まで誰もした事がない方法で芸術を表現するっていう所が良いんじゃない」
ヒカリさんはまた芸術の持論を語った。
「ヒカリは本当にそういうの好きだな」
ユメさんは微笑みながら再び言った。




