第三十三話
お風呂に入って、髪を乾かしたり、歯磨きして、ようやく床に就いた。
ベッドに横になると、すぐに寝てしまうと思っていたが眠れない。全然、眠たくない。いつもは寝てる時間なのになぁ。
布団に包まっていても、目が冴えていて全く眠れない。暫く目をつぶれば眠れるだろう、と思っていたが一時間が経ち、二時間が経った。
バイトでコーヒーを飲んだのを思い出した。それで眠れないのかもしれない。きっとそうだ。
全然、眠れる気配が無い。疲れているのに眠れない。それが辛い。普段からコーヒーを飲まないので、カフェインが人一倍に効いたみたい。深夜だからか、疲れすぎたのか頭の中がミントのメントールのようにスーッとしているみたいな感じがした。冷たいのかな……。
眠れないから、眠くなるまで起きておくことにした。
自分の机に座り、リングノートとボールペンを取り出して、七町珈琲店の見取り図を書いた。
そこにお皿を洗う場所や調理をする場所、コーヒーメーカーがある場所、食材の場所などを思い出しながら記入した。これでスムーズに動けて、足を引っ張らなくなるはず。
あと、別のページにコーヒーの淹れ方やサンドイッチの作り方など細かい作業を思い出しながら記入した。これで早く作り方を覚えて、足を引っ張らなくなるはず。通学の電車の中ででも見て覚えよう。
ついでに“ソ”の音で声を出す事についても書いておいた。
バイトの先輩も良い人そうで良かった。大学三年生で歳が近いからかな。私は人とのコミュニケーションが下手だから、先輩に迷惑を掛けてしまいそうで心配だ。忙しい時でも愛想笑いは忘れないようにする。いつも通り相手の空気を感じ取って、相手に空気を合わせる。嫌われないように気を付けよう。
壁時計を見ると、もう五時だった。窓の外も明るくなっていた。
さすがにもう眠れるかな……。
布団に包まり、目をつぶって三十分以上経ったのは覚えているが、それ以降は眠れたようだった。




