第二十七話
雑貨店を何件か見てまわって、サンドイッチのファーストフード店に入った。
「カスミンは最近どう? 大学はどこ行ったんだっけ?」
「藍嶺大学の……」
「えーっ、すごいじゃん。藍嶺って、都心六大学の一つじゃん」
「でも、文学部の心理学科だからそんなにレベルは高くないよ。人気が無かったのかも」
「藍嶺は藍嶺だからすごいよ」
「そうかなぁ。運が良かったのかも」
「謙遜しちゃって、カスミン」
「アハハっ。謙遜してないよ。明日からバイトする予定なの」
「どんなバイトするの?」
「七町珈琲でバイト。ホールとか、キッチンとかすると思う」
「良いじゃん! でも意外だね。カスミンは飲食関係でバイトするイメージが無いなぁ。なんだろう、どちらかというと本屋とかでバイトしてそう」
「そうかも。昨日の面接でも質問に対して、全然駄目な返答だったんだけど、何故か採用だった」
「面接って、単に質問内容だけ聞いてるんじゃなくて、相手の性格や人柄を見たりするんだって」
「そうかも」
「真面目にバイトしそうかどうかとか、根性がありそうかどうかとか」
「なるほどね」
「今度、カスミンがバイトしてるのを見に行くよ。どこの店舗? 最寄りの駅はどこ?」
「笹風駅から徒歩三分ぐらい」
「結構、都心の方でバイトしてるんだね。治安が悪かったりしない?」
「笹風はそんなに悪くなさそうだったけど、夜は分からない」
「変な輩に絡まれないように気を付けて。世の中、ヤバい奴いるから」
「この前、横港のカラオケボックスで変な人に襲われた」
「ええっ?! カスミン、大丈夫だったの?! 襲われたって!」
リオは目を丸くして驚いて、私の両腕を掴んだ。
周りの注目を浴びて私は思わず、顔が赤くなって声が上ずった。
「友達に助けてもらったから大丈夫だった」
「良かった……」
リオは息を整えて、安堵した表情を見せた。
「リオも気を付けてね。都心には変な人いるから」
「気を付けるけど、カスミンは清楚キャラなんだから、もっと気を付けて」
「せ、清楚キャラ?」
昔に一度言われたような気がする。動画のコメントだったかな……。
「清楚キャラ! 聖女キャラ? どっちだったっけ……」
「アハハっ。そんなキャラじゃないよ、私」
そんな話をしながらショップを巡り、川沿いの和風カフェで一息ついて、今日は帰ることにした。
今日はリオと遊べて楽しかった。いつまでも一緒に居たい気分だった。
リオと会うのは高校二年の時以来で、これだけ時間が経っても仲良くしてくれて嬉しかった。私はずっと親友だと思っている。長い期間、話さなかったらもう友達ではないという冷たい人もいるけど、私はそうではない。
親友のリオは大切にしていきたい。
アカリさん、ユメさん、ヒカリさんも大切にしていきたいと思っている。




