第二十五話
駄目な時の雰囲気って分かるよね……。
店長の表情で何となく不採用の返事を予想することができた。
電車に乗っている間、ずっと心が沈んでいた。
昔から面接というのは苦手だった。初対面の人と一対一でいると緊張して上手く喋れなくなる。
中学三年の時に英語検定三級の試験をクラスの何人かで受けに行ったことがあった。筆記はよくできたと思うけど、リスニングと面接が全然できなくて、私だけ不合格だった。物凄くショックで誰にも言えなかった。
それ以来、面接という状況に苦手意識しか無かった。みんなは普通にできているのに、私だけできていないのは劣等感でしかなかった。私は誰よりも劣っていると思わざるを得なかった。
今日の面接でも緊張して顔が強張っていたに違いない。
その日の夜、店長より電話が掛かってきた。
「傘木です。倉里さん、アルバイト採用なので来月から来てください。次は月曜だから、五月一日で」
「は、はい。よ、宜しくお願い致します」
まさか採用されるとは思ってもみなかった……。
もしかしたらアカリさんがお願いしてくれたりしたのかなぁ。今度聞いてみよう。
こんな私で良いのかなぁ……。迷惑を掛けないように頑張らないといけない。
そして、アルバイトの曜日は月、木、土の週に三日。研修は二ヵ月程との説明があった。電話が終わってから、しばらく心臓の鼓動が止まらなかった。
ベッドに倒れ込んで、心臓が落ち着くまでじっとしていると、いつの間にか眠っていた。




