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第百三十八話
店の窓ふきを終えて、私とアカリさんは店の中に入った。
事務所内の水道のある洗面所で汚れた雑巾を二人で洗った。
「ヒカリとユメは来月初めにはシェアハウスに引っ越すみたいだよ」
アカリさんは雑巾を強く絞りながら言った。
「早いね、アカリさんも引っ越すの?」
私は気になって聞いた。
「私はね、来月の下旬ごろにしようかなって。まだ決定じゃないけどね。引っ越すのも何かと準備がいるし、色々と面倒な作業が多いじゃない、荷造りとか。」
アカリさんは雑巾を干しながら言った。
私たちは店内に戻ったけど、お客さんは誰一人いなかった。
いつも忙しいのに今日は珍しい。まだどこかでイベントを開催しているのかもしれない。
店内の掃除や珈琲の準備をしながら、さっきのシェアハウスの話をどうしようか考えていた。私も一緒にシェアハウスしたい気持ちがある。一度、家族に承諾をもらえるか聞いてみようと思った。
シェアハウスではどんな生活になるんだろう。一緒にご飯食べたりとか、友達の部屋に喋りに行ったり、プライベートが見られてしまう共同生活が思い浮かんだ。そんな環境で私は耐えられるだろうか。あんまり自信が持てないなぁと思った。




