第百三十六話
午前中の講義が終わり、いつもの四人で食堂でお昼ご飯を食べていた。
「発表まだかな~」
ヒカリさんはスマートフォンを眺めながら、ソワソワとしていた。
「もうそろそろだね」
アカリさんはスマートフォンで時刻をチラッと見ながら言った。
ユメさんはランチを食べながら無言のまま頷いた。
藍領映画祭の最優秀賞が発表されるのは今日の十二時から十三時頃の予定だった。
私も気になっていたが、考えていると緊張するので気にしないようにしていた。でも、みんなの緊張感が伝わってきて心臓の鼓動はいつもより大きく鳴っていた。
みんながランチを食べ終えた頃にヒカリさんが声をあげた。
「え~~~、何で~~~」
その言葉を聞いて、私は何となく結果が予想できた。
「最優秀賞は三年だって! 優秀賞は一年。マジで~~」
ヒカリさんは大きく肩を落とした。
当然私もショックだった。夏の暑い日に頑張って撮影したので、残念な気持ちが溢れてきた。私の演技が上手くなかったのが原因なんだと思った。私がヒロインを担当したから駄目だったんだと思った。ヒカリさん、ユメさん、アカリさんに申し訳ない気持ちで一杯だった。
「三年生は“さよならポーチ”のパクリだから。オリジナリティーは絶対、私たちの方が上だから」
アカリさんはすかさずフォローした。
「ありがとう。大衆で売れた映画に似た動画だとやっぱり受けが良いんだろうね。何かそんな心理効果あったよね?」
ヒカリさんはうつ伏せのまま言った。
「バンドワゴン効果かな」
ユメさんが一秒も経たずに答えた。
私はその様子をただ眺めるだけで何も喋れずにいた。
自分のせいで最優秀賞が取れなかったと思うと心が締め付けられる思いだった。
※バンドワゴン効果……流行っている物や事柄などで、複数の選択されている物が更に選択されやすくなる現象。




