第百十五話
時計を見ると七時前になっていたので、ベッドから起き上がり部屋を出た。
一睡もできず、身体の疲労が全然取れなくてしんどい。それに頭の中がずっと動いていたので、頭痛が酷い。もうヘトヘトな状態だった。
台所へ行くと母親と父親は朝食を食べていた。
朝食を食べるかどうか聞かれたが、食べれないと答えた。
私は頭痛薬を飲んで、母親にこう言った。
「眠れなくて、体調が悪いみたいだから今日は学校休むから」
頭痛が治まっても、頭がクラクラして倒れそうで行けない。
リビングにあるテレビから耳を疑うようなニュースが聴こえてきた。
「昨夜未明、セミナー講師の東河博さんが傘合区の自宅で首を吊って死亡しているのが見つかりました。目立った外傷はなく、死後二日以上経過していたということです。ポケットからは遺書らしき手書きのメモが見つかったということで、自殺の可能性が高いとみて調べを進めています。さて、次のニュースです」
驚きのあまり心臓が止まりそうになった。
まさか東河さんが本当に亡くなったなんて……。
次のニュースが始まってもテレビを凝視していた。
目の前が真っ暗になり、身体に力が入らなくなってきた。急いで自分の部屋に戻り、ベッドに倒れ込んだ。
感情が込み上げてきて涙が出た。
そんな……。どうして……。何故なの……。
東河さんが亡くなったなんて信じられない。
受け入れがたい現実に気力を失った私の心は、暗くて深い奥底へ落ちていった。




