第百十一話
美術部や写真部、アニメ研究会などを皆で見てまわった後、冷房の効いた空いている教室へ入った。そして、模擬店で買ったフライドポテトとからあげ、チョコバナナを食べていた。
「お祭りで売っている食べ物って美味しいよね。こんなの毎日食べていたら太りそうだけど」
ヒカリさんはポテトをつまんで口に入れた。
「そうだね」
私も家ではあまり食べることが少ないフライドポテトを食べて美味しいと思った。
「あっ、そうそう。今年の自作映画も動画サイトで公開されるみたいよ。一週間後に藍嶺大学の公式として」
ヒカリさんはからあげを咀嚼しながら言った。
「へぇ、すごいじゃん。自作映画って毎年公開されているの?」
アカリさんはチョコバナナを食べながら言った。
「んとね。何年か前に規制が厳しくなって、その時は公開後に削除されたりしたみたい。エログロとか、著作権とか」
ヒカリさんはフライドポテトをケチャップに付けながら言った。
「急に規制が厳しくなった時期があったよね。でも、エログロに引っかかるなんて、どんな自作映画なのよ。アハハっ」
アカリさんは笑いながら言った。
私は動画サイトで公開されるという事に対して、嫌な気持ちが溢れてきて昔の記憶がフラッシュバックした。
高校二年生の時に友達のリオが動画サイトに動画をアップした事があった。その動画は変装したリオと私がスライムを作る実験をするものだった。最初は良かったけど、再生回数が増えてくると私に対する中傷コメントが増えていった。その中傷コメントに私の心はとても傷つき、夜も寝れなくなって学校に行けなくなるほど苦しんだ。
またあんな中傷コメントで苦しむのではないかと思うと、人間に対する恐怖が私の心の中で大きく膨れ上がってきた。
どうすれば良い? どうすれば防げる? どうすればあの事態を避けられる?
頭の中が動き出して、対応策を考え出した。
「どうしたの? カスミ。難しい顔をして」
ヒカリさんは顔を傾けながら言った。
「えーっと、あの。動画にコメントがつく場合があると思うけど、中傷コメントとか怖くない?」
私は良いチャンスだと思って、思い切って聞いてみた。
「まあ、良い映画ほど批判がつくって言うじゃない。映画に対する批判や中傷は言わせておけば良いけど、人に対する批判や中傷は許せないから消してもらうけどね。というか大学の公式だから消されるんじゃない?」
私はそれを聞いて安心した。
確かに個人のチャンネルより公式の大学のチャンネルだと、コメントに対する配慮がされているのだろうと思った。
それに今回の自作映画がネットで観れるのだったら東河さんも観てもらえそうだと思った。アップされたらメールを送ってみようかな。
映画を観て喜んでくれたら嬉しいなと思った。




