第百八話
長い夏休みも終わり、大学の後期が始まった。
今日は後期に受ける講義の選択登録をする為に大学へ行かないといけない。
それだけの為に大学に向かった。
大学の事務局の中の様子を見て、他の学生が少ないのを確認した。
鞄の中で講義登録表を準備して手に持って、事務局の中に入ろうとした。
「カスミー! ちょうどタイミングが合ったね。もう講義の登録ってした?」
アカリさんが後ろから声を掛けた。
「私もさっき来たところ」
「単位は足りると思うけど、講義は取れるだけ取るよね? 後々になって単位が足りなくなったら困るし」
「うん」
「確か一年で二十単位以上よね。前期で十二単位取ったから、後期で八単位以上は取らないといけないけど、まあ大丈夫だよね」
「うん」
私とアカリさんは講義登録表を提出して、事務局を後にした。
「これだけの為に大学まで来るのは面倒だね。ネットとかで出来たらいいのに。システムが古いままなんだろうね」
アカリさんは手に持ったスマートフォンを指差してそう言った。
「そうだね」
私は家が遠いので、同じことを思っていた。
「今週末は“藍嶺祭”が開催だね。映画研究会は教室で上映するみたいだよ。もちろん観に行くでしょ? ヒカリは編集終わったのかな、何の連絡も無いけど。ずっとカンヅメで編集しているみたいだけど」
「そんなに時間が掛かるんだね」
「分からないけど。上映時間はどのくらいになるんだろうね」
「そんなに長くないと思うけど」
「まあ楽しみだね」
「うん」
私は映画の中で自分がどのように映っているのか気になった。変な顔で映っていたらどうしよう。知らない大勢の人に見られると思うと恥ずかしくなってきた。




