表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
54/169

密命

勝頼はかつてから計画していたある計画の一つを実行に移します。その為、その計画の総大将に明智光秀を任命し細かい指示を与えたのでした。

雑賀衆により増えた1000名分と同じだけの人数の常時兵を勝頼は解雇した。


解雇された兵達と将達は北の越後を目指して去っていった。


望月千代女はではなく配下の歩き巫女を使い甲斐国にいる武田信玄に報告していた。


「兵を増やしたと聞いていたが手放したか…やはりあやつは中々知恵が回るようだ。いらぬ疑いをかけられてはいかんと気がついたのであろう。ワッハッハ」


勝頼は信玄の機嫌取りにお中元として干し椎茸やセンブリやドクダミを乾燥させ煎じて混ぜた胃腸薬、色々なお礼(仕返し)の意味をこめてスズメバチを酒に漬けたものやマムシを酒に漬けたもの、スズメバチの幼虫やマムシの燻製を滋養強壮に良いので父上のお身体を気遣ってと贈った。


しかし勝頼の思惑は良い意味で外れた。


「勝頼め中々可愛いところがあるではないか。このスズメバチの幼虫など炙って塩かけて食べるとなんとも美味い!それにこの酒も精がつき力がみなぎるようだ!ワッハッハ!」


勝頼は色々な意味のお礼もしたつもりであったが、信玄は勝頼の想像の上を行きただ信玄を喜ばせるだけになったのだった…恐るべし甲斐の虎!


そんな中で春日山城では海津城を解雇された兵1000名が集まり富山城からの輸送を受け取っていた。毛皮で作られた防寒着の装備品と通常の火縄銃1000丁に弾薬火薬である。


現在海津城にも2000丁の旧型火縄銃がある。


富山城にある鉄砲工場では旧式火縄銃の生産は終了し、ライフリングされ肩当てを取り付けた火縄銃に主力が変更されていた為である。後数年すれば研究中の火縄のいらないライフルの量産にも成功するであろう。


春日山城の大広間では上杉政虎の前で明智光秀が平伏していた。


「面をあげてください。」


政虎の言葉に顔を上げた光秀は丁寧な挨拶をすませると。本題を話し出した。


「政虎様、此方の準備は整いました。兼ねてからの約束の通り兵をお貸し頂きたい」


「防寒具に関しましては越後勢の分も富山城で用意させております。」


「わかりました。遂にあの計画を実行に移すのですね。約束通り此方からも兵1000を出しましょう。」


「誰か!明智光秀殿に力を貸して同行する者はおらぬか?」


「なら僭越ながら某が同行致しましょう。まだまだ若い者には負けませんぞ!」


「ほう、定満が行ってくれるのか?長い旅路になるが本当に良いのか?」


「某の残りの命、御身城様と婿殿の夢の為に使いたいとかねてから思っておりました。某にお任せください」


「定満…それ程までに私達の事を…わかった、其方に任せます」


政虎は小姓に命じて朱色に塗られた見事な槍を持って来させた。


「これを其方に授けます。この槍に負けぬ活躍を期待しています。」


「ハハー有り難き幸せ!」


そして1週間後、信濃、越後を中心とした船団が北へと北上していくのを政虎は馬上で見送っていた。


「夏でないとこの計画は実行できませんからね」


そして信濃、越後の連合艦隊は北へ、更に北へと向かうのであった。

この時代、上方に比べて北に行けば北に行くほど鉄砲は普及しておらず、戦にまとめて使えるだけの数をもっていませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ