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大崎玄蕃と名を変え生き延びた武田勝頼の末裔の咆哮  作者: 吉良山猫
第2章海津城編
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風魔葵の実力

風間出羽守の屋敷に勝頼達は宿を借りています。

勝頼達は風間出羽守の好意により数日屋敷に滞在する事になった。風魔の里より若手の手練れを30名程呼び寄せ葵に付けてくれるらしい。


勝頼は早朝より信春を相手に剣の稽古に励んでいた。勝頼の剣筋は鋭く槍ならばわからないが信春相手でも押し切れるほどだ。体が成長期で成長してきてるのと転生前からの剣の腕に加えて剣聖より教えを受けたことにより実力がメキメキと上達していた。


それを近くで眺めていた風間出羽守こと風魔小太郎は見事なものだと感嘆していた。並みの剣豪では相手にならないだろうと…はたして北条家中で彼に剣術で勝てる者はいないのではないかと思うほどの実力である。


風魔小太郎は達人であるが故に勝頼の実力が良くわかった。しかしそれを顔には出さずにこにこ微笑みながらお茶を飲んでいる。


勝頼が手ぬぐいで汗を拭った際にさっと竹の水筒に入った水を葵が差し出す。


勝頼は意外と気がきく奴だなと笑顔で受け取り水を飲み干すと今度は葵が握り飯を差し出す!


ガチャン!‼︎


小太郎が茶碗を落とし口をあんぐりあけて唖然としている…


驚いた勝頼は小太郎にどうしたのかと聞くと…小太郎いわく葵が自分の食料を他人に分け与えるのを初めて見たとのことで目を見開いてわなわなしながら驚いている。


そう葵は朝早く自分が食べるために握り飯を握っていたそうだが、そのうちの一つを勝頼に差し出したのに驚いたらしい。


小太郎いわく葵は忍びとしての能力に優れ風魔の中でも忍術や武術において勝てる者がいないくらいの実力なのだが、弱点は食べ物に対する執着が強く、月に数日とお腹が減っている時だけは弱ってしまうらしい。


それでも通常のもの以上に強いのだとか…


葵は器用らしく忍術のマスターは勿論、様々な武器を使いこなし、使用したことのない武器でも教えればたちまち常人以上に使いこなしてしまうという…


中でも一番得意なのが小太刀二刀流で小太郎でも気を抜くとやられそうになる程の実力があるという。


そんな葵が父親である自分以外の誰かを認めて側から離れないのにも驚いたが、命の次に大切な食料を他人に与えた事に驚きを隠せなかった…この男…本当に日の本を救う逸材やもしれぬ…その時は葵を…


「いや勝頼殿はまこと葵に慕われていると驚きましてな!」


ポッ!頰を赤らめて葵と網丸が照れている…


…百歩譲って葵が照れるのはわかるが…網丸お前はなんでやねん!!と凄く突っ込みたくなったので勝頼は小太郎に網丸のことを聞くと…網丸はあのなりだが優秀な忍犬で両前足に専用のかぎ爪をつけると一騎当千の実力らしく、他の忍犬の上に立つのは勿論だがオオカミですら尻尾を巻いて逃げたことがあるらしい…人と犬は見かけによらないものだと勝頼は驚いた。


ではあの愛嬌のある顔は演技なのかと勝頼と信春は思った瞬間、勝頼の横腹に葵の右肘が…信春の右足に網丸が噛り付いた…


痛て〜!?勝頼と信春は同時に悲鳴をあげる…


勝頼と信春は顔を見合わせて思う…俺たちはまだ何も言ってない…風魔の者は読心術ができるのか?風魔恐るべしと…


ただこの後、勝頼と信春を苛立たせたのは勝頼達のいく先を先回りして葵と網丸が小太刀二刀流とかぎ爪を構えて「ジョジョ立ち」のようにポージングをして褒めて讃えてアピールをしていたことだ…


みると鼻がピノキオのように伸びている…まるでエヘンエヘンと言っているようだ…


無視するつもりがつい付き合ってしまい「ピノキオか!?」といってしまったのだが…


ポッとならんで照れている…


心で勝頼は思った…褒めてないからと…


この夜勝頼は葵と網丸、風魔衆に海で獲った魚から作った竹輪を振る舞った所、結束が深まったらしい…

網丸はおいといて葵はなんだかんだまぬけやアホだとか言いながら本心では可愛いと思う勝頼なのです。現時点では葵の性別は不明ですがもし女子ならほっぺが赤くなるような女子は大好きすぎる勝頼なのでした。

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