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日本異世界始末記  作者: 能登守
2034年
275/282

市川市街戦

 日本国

 首都 東京

 市ヶ谷 防衛省


 千葉県松戸市(旧市川市)で機会なモンスターが複数が猛威を振るってる連絡が届き、防衛大臣乃村利正は統合司令部の指揮センターに入った。


「年度内は事件も無かろうと、任期満了の準備をしていればこれだ。

 状況はどうなってい?」


 統合司令行田忍一等海将はモニターに本八幡駅周辺の地図を出し、状況を説明する。


「葛飾八幡近くの八幡の藪知らずから直径100メートルの範囲がクレーターとなっています。

 京成本線の線路も消滅しており、京成八幡駅から鬼越駅間が不通、復旧の目処が立ちません。

 旧市川市役所も半壊、残務処理に当たっていた職員21名が行方不明。

 また、葛飾八幡宮においても八幡の藪知らずから出現した土人形の鎧武者と千葉県警市川署と八幡宮衛士、 第127地区警務隊松戸分隊が交戦。

 警官18名の殉職者を出しましたが、間もなく鎮圧との連絡が来ました」

「国交省の役人が卒倒してたな。

 警務隊がそんな所に出張ってきのは、うちの隊員が『帰還派』だったからだと?

 とんでもない不祥事だ」


 同僚の自衛隊千葉地方協力本部 市川募集案内所の隊員二人と警官4名を射殺したのが確認された。

 なお、犯人一味は次元跳躍装置の試作機とともに消滅。

 銃を乱射した緑川空曹長も土人形の鎧武者に切り刻まれて死亡が確認されている。


「例の試作機の仕業か。

 米軍も厄介なもん造りやがったな。

 千葉地方協力本部本部長には辞表を書いてもらうぞ。

 次元跳躍機の話は公表出来ないから化け物どもに唆されたとして話を進める。

 松戸でも船橋でもいいから早く化け物共も黙らせろ」


 米軍との秘密協定、防衛機密、外交機密をちらつかせれば警察庁、千葉県庁は問題はない。

 すでに松戸市の大陸移民は半分近くが達成しており、市民が少なかったのは幸いといえた。


「葛飾八幡宮の方も宮内省を通じて働き掛ける。

 で、他はどうなっている?」

「市川インターを中心にスケルトンが暴れまわっています。

 こちらは殴打すれば倒せるので機動隊や行田警察署が対応してますが、子供や若い娘を誘拐して混乱を拡大させています。

 警官や自警団がこれに対処し、一般宅や学校、病院等で乱闘となっています」





 松戸市(旧市川市)

 大和田町 中学校内


「きゃあ!?」


 校内を女生徒の悲鳴が鳴り響き、廊下を避難する生徒、誘導する教職員で溢れかえる。


「体育館に避難しろ!!

 防火扉を閉めて時間を稼ぐんだ」


 校内、各所から侵入したスケルトン数十体は、正門にいた警備員を振り切り、次々と女生徒を担ぎ上げ、男子生徒や教職員を殴打し蹴散らしていく。

 この学校にも剣道部や柔道部があり、体格の良い生徒が抵抗を続けているが、スケルトン達も武道の心得があるのか、いなされ、懐に入られて蹴散らされていく。

 唯一の救いはスケルトン達が、明確な武器を持っていないことからか死者は出ていない。

 その辺で拾った棒きれ程度だ。

 さすがに鉄パイプ等は転移時の資源枯渇を睨んで、都市鉱山の対象として回収されたので無駄に放置や投棄されていない。

 それでも棒きれで殴打されて、血塗れの生徒を逃がそうとする生活指導の教諭を校舎の二階、三階にいた生徒が机や椅子を投下して援護する。

 ようやくパトカーがグラウンドに雪崩れ込んできて、警官達が降りてくるが明らかに少ない。


「6人だけか?

 あの化け物は何十体もいるんだぞ!!」


 竹刀で奮戦していた体育教師が抗議するが、その声は拳銃の発砲音でかき消された。


「隣の小学校です。

 あちらにも化け物が侵入しているので人数が割かれています」


 ようやく体育教師がパトカーに警視庁とマーキングされている事に気がついた。


「あんたらどこから来たんだ」

 ?」

「小松川警察署です。

 江戸川を越えて参上仕りました」


 躍り掛かってくるスケルトンをパトカーで轢き潰し、女生徒を担いでいたスケルトンを警棒で頭蓋骨を叩き割り、背骨を直接掴んで持ち上げて地面に叩き付ける。

 体格差もそうだが、万全の警官達なら造作も無い相手だ。


「あとは数だが……」


 今度は校門から自衛隊の73式中型トラックと高機動車、軽装甲機動車が乗り込んでくる。

 ちょうど1個小隊の人数で、今は喉から手が出るほど有りがたかった。

 松戸駐屯地の第2高射特科連隊の隊員達だった。


「まさか普通科の真似事をやらされるとわ」


 小隊長の雨宮二等陸尉は困惑していたが、生徒が入り乱れる学校内で銃を使う訳にはいないと、隊員達には徒手空拳、スコップなどを使ってのスケルトン殲滅を命令した。


「すいません小松川署の砂田です。

 隣の小学校にも隊員さんを振り向けて欲しいのですが」

「警視庁さん?

 ああ、ご心配無く。

 すでに別の小隊が突入していますから」



 同市内

 国府台公園


 第2高射特科連隊の連隊司令部は松戸駐屯地を出撃、国府台公園内のスポーツセンターに仮設司令部を造り、近隣一帯のスケルトンの駆除と拐われた婦女子の救出を指揮していた。


「逃走中のスケルトン達は市川大野駅方向に誘拐した婦女子を抱えて向かっています」

「巨人の髑髏、スケルトンの群れ、土人形の鎧武者、呪術を使う女。

 平将門関連の化け物ばかりだが、あの近辺に所縁の地なんてあるのか?」


 連隊長の綿貫一等陸佐は首をかしげるが、


「市川大野駅近くの中学校が、平将門が築城したとの伝承がある大野城跡です」

「それか現地までの避難と戦力をかき集めろ」

「千葉県警が船橋警察署と松戸警察署の警官隊を現地に派遣しています。

 船橋出張所と松戸駐屯地から連絡がありました。

 あちらさんも気が付いたようです」


 自衛隊と警察の連携に齟齬が生じていた。

 本来の連絡、調整役である自衛隊千葉地方協力本部の市川募集案内所が機能していないので、その調整の間は戦力の逐次投入をせざるを得なかった。

 その為に連隊隊員のほとんどが市内各地でスケルトンと鬼ごっこだ。


「せめて空挺がいればなあ」


 幕僚の一人が嘆くように習志野駐屯地を拠点とする第1空挺旅団第1空挺連隊は、西方大陸アガリアレプトに派遣されていて代わりにいた第18後方支援連隊も南方大陸アウストラリスに旅立ったばかりだ。


「市川インターの方はどうなっている?」





 市川インター


 15メートルほどの巨人のスケルトン相手に千葉県警機動隊は奮戦していた。

 最初に突入した第2小隊の機動隊員達は警棒や防護盾を叩き付けながら巨人スケルトンの指に吊るされていた市民を救出し、弾き飛ばされたり、踏みつけれたりと負傷者を続出させていた。

 しかし、踏み潰されて死んだ者がいなく、指先で腹を突かれても防護ベストを貫かれていない。

 一番、殺傷能力があるのは噛みつきだか、機動隊員達が連携して牽制してきて噛みつくことが出来ない。

 時折、発砲してきては骨に穴を開けていく。


「あいつ肉が一切無いから軽いんじゃないだろうか?

 第3小隊、車で突っ込め!!」


 人間の骨の重量は概ね体重の約15%から20%程度。

 あんな化け物を人間基準で考えていいのかわからないが、小隊長の早瀬警部が大雑把に考えても人間一人分の重量と変わらないことになる。

 早瀬警部が指示すると、小隊の車両が道路の脇に避けて一両の装甲車両が姿を現す。

 後続の機動隊2個小隊、県警機動隊本隊が到着しており、切り札の87式偵察警戒車が主武装の25mm機関砲KBA-B02と副武装の74式車載7.62mm機関銃を発砲しながら突進していく。

 機関砲にボロボロの穴だらけにされたスケルトン巨人は、15トン鋼鉄の塊の体当たりで粉々にされた。

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