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Mr.NO-GOOD´EX  作者: 慎之介
EXtra
72/77

外伝:困った時は衝撃波

俺には……。


俺には、どれほどの可能性がある?


可能性……。


資質か……。


俺は、まだまだだ。


そんな事は分かってる。


俺は、馬鹿じゃない。


だが……。


へへっ……。


だがな、俺には才能と資質がある。


少し、運は無いがな。


でも、何時かは。


「おいって! 聞いてるか?」


「ん? ああ、ごめん」


「たく! 相変わらず、お前は何考えてるか、分かんね~よな~」


「そう……かな……」


「そうだよ!」


ああ……。


鬱陶しい……。


酒は、静かに飲みたいのに。


まったく、粋ってのがこいつらは分かってない。


俺は、俺の所属するギルドに隣接された酒場で、馬鹿達と酒を飲んでいる。


筋肉馬鹿のデビッドと、へぼ魔道士のルカ。


なんで俺は、こんな才能がない奴とパーティーを組まないといけないんだ?


はぁ~……。


俺って、ついてない。


思えば、子供の頃から運がなかった。


教師が無能だったせいで、俺の資質が伸び悩んだんだ。


こんなに才能がある俺じゃなくて、無能なクラスメイトばかりが褒められていた。


クラスの中で、本当に優れた資質があったのは俺なのに……。


ギルドに入る時もそうだ。


あの時でも、Aクラスに近い実力があったのに……。


結果はCクラス……。


そのせいで、この雑魚二人としかパーティーを組めなくなった。


「なんだよ? まだ、落ち込んでるのか?」


違う。


「まあ、次はうまくいくよ。落ち込まないで、飲もうよ」


違うって!


お前に、俺の何が分かるんだ!


このヘボ魔道士が。


と……俺は、馬鹿じゃない。


本音なんて、口にするだけ意味がない。


「うん……」


何よりも、こいつらには俺の本音を聞くだけの権利すらない。


ふん……。


今に、見てろ。


その気にさえなれば、俺は……。


っと……。


酒を飲み過ぎたな。


「どうした? マルコ?」


「ああ、ちょっとトイレ」


「そうか。……でな! ルカ!」


「はいはい」


****


全く、ルカもデビッドの馬鹿な話に、よく付き合えるな……。


馬鹿同士気が合うのか?


俺には無理だ。


「あら? マルコ?」


「あ! あ……あの……やあ」


俺がトイレから出ると、そこには見知った女性がいた。


学生時代からの知り合いである、マルチナ。


今日も、可愛いな。


それに、相変わらずいい体をしている。


「あ~……マルコ?」


「なっ! 何?」


マルチナから声をかけてきた!


もしかして……。


俺の事を?


「私、トイレに行きたいの」


「うん」


おいおい。


やっぱり、マルチナも俺の事を?


「……どいてくれる」


「あ……ああ……ごめん」


俺は、通路の片側の壁に背中をつける。


背中を向けてすれ違うマルチナから……いい匂い……。


学校も同じ……ギルドも同じ……。


これって、運命だよな。


うん。


きっとそうだよ。


ギルドでついてない分、こっちの運はあるはずだ。


そうだよ!


勇気だ!


勇気を出すんだ!


「あの!」


「何?」


「俺……この間……なんだけど……」


「この間?」


「うん……この間」


「何?」


「一人で……その……トロル倒したんだぜ」


群れから逸れたトロルだったけど……。


ルカの魔法を受けて、デビッドが腕を切り落としてたが、とどめは俺だ。


嘘じゃない。


それに、あんなの一人でも勝てる。


どうだ?


凄いだろ?


「そう……おめでとう」


おお!


好感触!


これは、俺に惚れたか?


「あ……ああ! それで……」


「ねえ!」


「えっ?」


「私、トイレに行きたいんだけど?」


「あ……ああ……ごめん」


これから、なのに……。


マルチナは、空気を読めないんだな。


付き合ったら、俺がフォローしてやらないとな。


全く……。


顔だけじゃな……。


俺みたいに心が広くなきゃ、彼氏も出来ないぞ?


トイレに入るマルチナは、ボソリと呟いた。


「私は昨日、トロルを三匹倒したわ」


なっ!


最悪だ!


自慢かよ!


てか、なんだ?


その冷めた目は!


この……馬鹿女が!


「おっ! 帰って……どうした?」


五月蝿い!


筋肉馬鹿!


「顔が、真っ赤だよ? 大丈夫? マルコ?」


くそ!


あの女!


最悪だ!


くそっ!


「ごめん……酔ったみたい。先に帰っていい……かな?」


「お? おお! 気を付けてな」


「送ろうか?」


「あ……いい……」


****


俺は一人で店を出た。


気分の悪い!


くそっ!


最悪だ。


なんで、俺がこんな思いをしないといけないんだ!


あの……馬鹿女!


後悔しろ!


俺が……えと……。


そうだ!


俺が一人で、トロルの群れを倒して!


Aクラスに上がって!


それに……。


うん!


実は俺は勇者で!


伝説の剣で、化け物共を倒すんだ!


周りから褒め称えられて!


金も名誉も女も、思うがままで!


でも、頭のいい俺は謙虚に。


あくまで謙虚にふるまうんだ。


そうすれば、もっと尊敬されて……。


金は……。


まあ、少しは貰ってもいいよな。


うん!


俺には、その権利があるんだ。


そうなって、あの馬鹿女が告白してきてもふってやる!


へへっ……。


いや! 待てよ……。


もっと、こう……。


そうだ!


付き合って、遊んでから捨ててやるんだ!


うん!


それがあいつには相応しい!


その時の、あいつの顔が楽しみだ。


その時に、今日の事を悔やんでも遅いんだ。


お前は、俺のプライドを傷付けたんだ!


へへっ……。


滅茶苦茶にしてやる。


あ~……。


考えてたら……。


どうしよう。


夜の店にでも行くか?


俺は、財布を確認する。


雀の涙ほどしか金がない……。


う……くそ!


折角トロルを倒したのに!


賞金が安すぎるんだ!


世の中間違いだらけだ!


くそ!


****


俺は、仕方なく自分の部屋へ帰った。


なんとなく、癖でテレビをつけていた。


画面には……。


英雄に、第一子が誕生か……。


最強の英雄ねぇ……。


こいつ本当に強いのか?


変な光で、異世界にいるこいつは見た。


だが、どうも胡散臭い。


たまたま、運がよかっただけじゃないのか?


この顔は、きっとろくに苦労もしてないな。


ずる賢く、うまく立ち回ったんだ。


俺とは違う。


俺は、そんなずるは大嫌いだ。


あの場所は、俺の方がふさわしくないか?


どうせ、周りの奴らが馬鹿ばっかりだったんだな。


きっとそうだ。


そうに違いない。


俺が、こいつと試合でも出来ればなぁ……。


すぐにでも化けの皮を剥がしてやるのに……。


あ……。


俺が勇者になって……。


きっとこいつは、君には敵わないとか言って、俺に国を譲る……。


いや、それは無いか。


でも、認められて、国の重臣になるかもな。


あ……でも……。


俺に恐れをなして、試合から逃げるかも知れないな。


そうなったら……。


へへっ……。


実力で、試合会場に引きずり出してやる。


逃げれば、その瞬間こいつの人生は終わりだ。


へへへっ……。


今に見てろよ。


さて……。


シャワーを……。


その前に、筋トレするか?


そうすれば、俺は……。


ま……まあ!


焦らなくても、俺の才能があれば運さえまわって来れば、いいだけだ。


筋トレは明日からでも出来る。


何より、さっきまで馬鹿に付き合わされて、疲れたしな。


うん……。


今日は寝よう。


シャワーも……。


いいや。


面倒だし。


****


「調査か……」


「おう! なかなかの報酬だろ?」


「で? デビッド、詳細は?」


確かに、破格の値段だな。


これなら、飲んで……遊んでも、おつりがくる。


それどころか、ひと月は仕事をしないでもいいな。


「じゃあ! 行くぞ!」


「あ……うん」


只の調査だ。


今日中に金が手に入るな。


運が向いてきたか?


へへっ……。


俺たちは、馬で帝国領内の森に入る。


「おい……」


「う~ん……」


なんだ?


デビッドとルカが、馬を止めた。


「あの……どうしたの?」


「変だよね?」


「ああ……」


「あの……何が?」


なんだよ。


早く行って、終わらせないと、夜の店に行くのが遅くなるだろうが!


馬鹿が!


「モンスターが全くいね~な」


はぁ?


この……筋肉馬鹿が!


いいことじゃないか!


「少し、慎重に行こうか」


「ああ」


馬鹿二人が、やっと進みだした。


根性無しが!


****


それから、十五分ほどで目的の場所についた。


ほら見ろ!


何もないじゃないか!


はい! 終わり!


「どう思う? デビッド?」


「なんか気持ち悪いな……」


「そうだよね」


何言ってんだ? この馬鹿二人は?


たく……。


「なんだ!?」


二人が、いきなり身構えた。


なんだよ……。


うん?


バキバキと……。


木が折れるみたいな……音?


「逃げてぇぇぇぇぇぇぇ!」


えっ?


女の声が……。


森の奥から、人が飛び出してきた。


マルチナ!?


それに、もう一人いい女が……。


「馬鹿! 逃げなさい!」


はぁ?


なんだ? この馬鹿女は!


初対面の相手に!


礼儀も知らないのか?


馬鹿女は、馬鹿女としかパーティーを組めないのか?


これだから、馬鹿は嫌いなんだ。


あ……。


あいつも、遊んで捨ててやるかな。


へへへっ……。


あれ?


うちの馬鹿二人が、馬から降りて武器を?


はぁ?


わけが分からんのだが?


なんだ?


何すればいいんだ?


誰かはっきり言えよ!


馬鹿のくせに!


はっ?


俺の目の前には、何時のまにか……。


「マルコ! 避けろ!」


巨大で真っ黒な牙が……。


「う……うわあぁぁぁ!」


その牙は、俺の乗っていた馬の首を、食いちぎって行った。


なんだ!?


なんだこれ!?


真っ黒い巨大な昆虫!?


鋭い牙が見えている口からは、ドロドロの液体が零れ落ちている。


うぇ!


馬の顔がぐちゃぐちゃに……。


「マルコォォォォォォ!」


え?


「ちょ! うわ!」


乗っていた馬が倒れこみ……。


痛い! 痛い痛い!


ああああ!


足が!


足が、馬の胴体と地面に挟まれた!


痛い!


あああ!


「早く! 逃げて!」


俺に向かって来ていた昆虫に、馬鹿女二人が攻撃をしている。


痛い! 痛いよ!


あああ……。


俺の足が!


「マルコ! 今、助けるぞ!」


早くしろ! 筋肉馬鹿!


痛い!


俺の足が!


早く! 早くしろよ!


「ふん! 今だ!」


馬鹿が!


やっと、持ち上げた……。


ああ、くそ……。


痛い。


折れたんじゃないか?


くそ!


この馬鹿が遅いからだ!


くそ!


「歩ける? 逃げよう!」


はぁ?


痛くて歩けないんだよ!


このヘボ魔道士!


助けろよ!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


え?


昆虫に吹っ飛ばされたマルチナが、ルカにぶつかった。


ルカは……。


気を失った!?


動かない。


「ぎゃん!」


くそ! 馬鹿女もダメか……。


どうにかしろよ!


俺は、足が痛くて動けないんだよ!


こ……こっちにくる!


最悪だ!


馬鹿達のせいで……。


なんで俺がこんな目に……。


「ぐおおおおぉぉ!」


筋肉馬鹿が、昆虫に斧を打ち込む。


駄目だ!


はじかれてる!


「立て! マルコ! このままじゃ、全滅だ!」


ふざけるなよ!


俺は、足を痛めたんだぞ!


どうにかしろよ! 馬鹿!


「ぐがぁぁ!」


斧と鎧を砕かれた筋肉馬鹿が、俺の前に転がってきた。


気を失った?


来る!


化け物がくる!


嫌だ!


「マルコ……もう、貴方しかいない……の。お願い」


マルチナ……。


マルチナが、息も絶え絶えに上半身だけをおこしている。


俺だけ?


俺……。


化け物が、ゆっくりと迫ってくる。


俺は……。


「うわああああ!」


嫌だ!


死にたくない!


「マル……コ……」


俺は、その場から走り出していた。


昆虫から逃げるために。


俺の判断は正しい。


俺さえ生き残ればいいんだ!


怖い!


逃げるんだ!


あの化け物から逃げるんだ!


「ぎゃあああ! 熱い! 熱い!」


背中が!


燃える!


あああああ!


転がりながら、目に飛び込んできたのは……。


気持ちの悪い液体を飛ばしてくる、化け物!


熱い!


背中が!


俺の背中が!


「ああああああ!」


燃える!


溶ける!


死ぬ!


嫌だ! 嫌だ!


****


「これは、またでかい虫じゃな」


「ははっ。固そうですねぇ」


「あ! ルナリスのみなさん。この方々の回復は任せていいですか?」


「はっ! お任せください!」


「さて……相手はAランクですね。賢者様。セシルさん」


「うむ」


「あの溶解液と、外皮が厄介ですよねぇ」


なんだ? こいつら?


痛みが……。


和らぐ……。


「じゃあ、囮は僕が受け持ちますよ。ライブさん」


「はい。気を付けてくださいね。セシルさん」


「わしが術式を組む間に、若造は……」


「はい! 陣を完成させます」


「では! 行くぞ! セシル! 若造!」


「「はい!」」


Aランクだろ!?


人間が三人で、勝てるわけがない!


馬鹿なのか? こいつら!


痛みが引いてきた……。


逃げ……。


なんだ……あれ。


「ふっ! はあああぁぁ!」


あんな化け物の牙を、剣で受け止めてる!?


嘘だろ……。


「おおおおおお!」


なんだ!?


地面に魔方陣を書いてるのか!? あいつ!?


残像!?


動きが……目で追えない。


「完成じゃ! 若造!」


「はい! こちらもOKです!」


「ぬおおお!」


魔法で作った光の球体を、爺さんが地面に叩きつけると……。


なんだよこれ……。


結界なのか?


魔方陣から飛び出した魔法の鎖が、化け物を縛り付けている。


「ぬううう! 魔力を地脈に逃がすぞ!」


「セシルさん! 私が動きを止めます!」


なんだ!?


化け物の首を、三重の真っ白い障壁が縛り付けた!?


「流石、ライブさん! じゃあ! 外皮の隙間から! はああぁぁぁ!」


光る剣を持った男が、化け物を切り刻んでいく……。


なんだ!?


こいつら……。


俺が眺めている中で、化け物は塵へと変わった。


「ふう……」


「賢者様も、セシルさんもお疲れ様でした」


「いや~……。Aランクは、楽をさせてくれないですねぇ。はははっ」


なんだ!? この三人!?


化け物か!?


「まあ、仕方あるまい。あの馬鹿は……」


「折角、子供が生まれたばかりですからね」


「マリーンさんもライブさんも、うれしそうですね~」


「うるさい! クソ勇者!」


「あら?」


「賢者様……お馬鹿さんの口癖うつってますよ?」


「うぬう!」


化け物と戦って……笑っている?


こいつら人間じゃない。


「紛れ込んだのは……。確か後、三匹ですかね?」


「あ! 先程リリスさんから、一匹撃破の連絡をもらってます」


「ふむ。では、後二匹か」


「ですね~」


****


怖い。


逃げないと……。


逃げ……ああ!


なんでだよ!


俺は、ついてない……。


最悪だ。


「おっと……」


「二匹同時か!」


「これは、ちょっときついですね」


目の前に、さっきの化け物が二匹……。


死にたくない……。


もう、嫌だ。


誰か、助けて……。


はっ?


えっ?!


目の前の化け物は、空が光った瞬間に塵にかわっていた。


うそ……。


なんだ!? これ!?


何が、おこったんだ?


もしかして……。


俺は、本当に勇者ですごい力が目覚めたのか!?


「三日月状の衝撃波……。ははっ!」


「全く、くそガキが余計な事を……」


「まあ、いいじゃないですか、賢者様」


それとも、勇者の俺を神が助けたのか!?


あ……ああ!


まさか、この三人に認められて……。


えっ?


あれ?


デビッド? ルカ?


なんで、怒ってるんだ?


はぁ?


訳が分からない!


俺は、頑張ったのに!


****


カキンと刃のつばが鳴る。


「終わりましたか? あなた?」


「ああ」


「衝撃波を電離層で、反射させて大陸横断か……。お前は、本当に心配性じゃな?」


「まあ、ジジィ達でも大丈夫だとは思うけどね~……」


「異世界から迷い込んだモンスターじゃからな」


「そういう事! さて……」


「ふふふっ……。お父さんは親バカですね~」


「だって! かわいいもの! 娘! 俺の娘! かわいいもの! 見てよこれ!」


「それより、名前は考えたのか?」


「ああ! 俺と梓の名前をとって……アイ!」


「いい名前ですね」


「ああっと! お前の名前も、ちゃんと考えてあるからな!」


「忙しいお父さんじゃ。アイのベビーベッドと、オリビアの腹に耳をあてる事の往復……音速をこえるな。馬鹿者!」


「だって! アイちゃん見たい! レオの音聞きたい!」


「あら? 私との名前でレオですか?」


「あ……言っちゃった……」


「ほれ! 落ち着かんか! 残像を残すな!」


「だって~! お前も、元気に生まれてくるんだぞぉぉ! いいかぁぁぁ!」


「そんなに何回も耳を押し当てても、急には変わりませんよ」


「あ~! 早く顔がみたいな~!」


「後、三か月じゃったか?」


「はい」


「ああ……アイちゃん……かわいいな~……」


「わし等の旦那は、子供を甘やかしそうじゃな」


「ふふふっ、そうですね。その分、私たちが叱らないと」


「全く……」


「早く出てこ~い! レオく~ん!」


****


ああ……。


くそ……。


なんだよ……。


「女を見捨てて逃げるのは、容認できん!」


「残念だよ……マルコ」


そんな目で……。


俺を見るなよ! 馬鹿どもが!



「灰色の髪? ライブさん……もしかして……」


「多分、信徒にも選ばれなかったんでしょうね」


「顔も……三十点かのぅ?」


「十五点!」


「二十点くらいかな~? それにしても、ライブさんは辛いですね」


「弟にも、よくそう言われました。しかし、これでよく分かりますね」


「そうじゃな。あの馬鹿は、あの馬鹿だからこそ、最強になったんじゃ」


「そう言えば、信徒はみんな同等の資質があるんでしたか?」


「その通りです、セシルさん」


「はははっ……。仲間に見捨てられちゃったね、彼」



くそ!


くそ……。


俺は頑張ったのに……。


何時もこうだ……。


俺は何も悪くない……。


ちくしょう……。

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