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ダンジョン大陸A&J  作者: Zyuka TIME
第2章・天に舞い上がる少女
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side-A・JapaneseQuest 日本人を探せ!

「「「「ニホンジン―――――?」」」」


 グロービス兄弟、物知りばあさん、そしてフルカスが聞きなれない言葉に疑問符を浮かべる―――――


「って、わかるか? 物知りばあさん?」


「う~~……む……ワシも聞いた事のない言葉じゃな……申しわけありませんがレイナガルデ様……そのニホンジンというのはどのような存在なのじゃ?」


「日本人? 日本人……っていうのは……そうね、異世界にある日本って国に住んでいる、人間たちの事だよ」


「異世界にある国!?」

「なんじゃそりゃ?」

「ニホン? 二本? に~ほ~ん?」

「異世界? 別世界? 極楽世界……?」

「「……………」」

「異世界の国……それは、ダンジョン大陸以外の別大陸にある国、という意味か?」

「――俺が聖大陸にいた時も、二ホンなんて国は聞いたことがない――」

「いやいや、いくら聖大陸でも全世界すべての国を把握しているわけではないじゃろ?」

「そんなのがどうしてここにいると――?」

「「……………」」


「ゴージャスな不審者、ノーヴェル・マシーってわけわかんない奴にかっさらわれたんだよ」


 プロペラと羽で宙に浮き、可愛らしい声でファロがそう言う――


「な!? 大魔王レオンガルデ様の親友、と言われたあのノーヴェル・マシー殿が!?」

「ゆえに、大魔王レオンガルデ様の御存命中の間は、後継者の一人と呼ばれた――!?」

「だが、その性格のため、魔王になることは難しいと言われていた――」


「え? あのノーヴェル・マシーとレイナの親父さんって、仲良かったの?」

「うん、そうだよ! だからレイナちゃんとヴェルちゃんも仲いいの!」

「私は、ヴェルには何度かしか会ってないけど、あの子は間違いなくお母さん似ね」

「今度ファロちゃんの事も紹介してあげるね!」


「「……………」」


「レイナガルデ様がレオンガルデ様の後継者に決定してからとんと噂を聞かなくなったが……あの者が、何か面白いことをしておるのかの?」


「面白い? いや、大迷惑なことだ!」


「たしかに、上位魔族のやっている事が、我らに伝わることはめったにないな……」

「むむむ、そういえば……ノーヴェル・マシー殿は我らのヒゲにも興味を示してはくれなかったな……」


「いや、ヒゲって……確かに大魔王にはヒゲのイメージあるけどさ」

「お父様のヒゲはチクチクして嫌だったけど」

「私のお父さんのヒゲは長かった……昔、お姉ちゃんたちと一緒にひっぱって遊んでいたら怒られた――」


「ま、ヒゲの話題は置いておいて……そこのお前、さっきから何ずっと黙っているんだ?」


「―――――!?」


 ファロがこれまで3人娘と会話に加わらず、黙って成り行きを見守っていたノヴァと――その肩の上に乗るポラリス4世に声をかける――


「髪は染めているみたいだが、その黒目――と、顔立ち――それに肩に乗せているヒューマノイド――女性型のガイノイド……いや、所々にある無理な改造痕を見ると、男性型のアンドロイドを無理やり女性型に魔改造した美少女アンドロイドか――?」


「ぼ、僕は!! 勇者になるためにこの世界に導かれたノヴァだ!! その、あの……日本生まれの日本人というわけじゃ……ないぞ!!」

「そうよ!! ノヴァはこの塔で勇者となる試練を受け、世界にデビューする予定なの!! 日本人とかどうかとか、そういうのはやめてよね!!」


 ノヴァとポラリス4世が同時に叫ぶ――!!


『ボイスデータのサンプルをゲット――これでデータの検証に移れるな――』

「「へ?」」


 ヴン―――――


 3人娘が乗ってきた飛行機から光が照射され空中に四角い光を投影する――


「な、なんだ?」

「空中に、絵――?」

「いや、動いておる――」

「空中投影型のモニター……」


 空中投影型のモニター――大型のものならスポーツ観戦やアイドルコンサートなどに使われる――日本という国のある地球という星での、最先端技術である。


 この世界にはないはずの技術によって作られた不思議な四角い光の中には、二人の男女がいる――


『どうも! 異世界転移物で異世界に行かない系主人公の神代真一だ』

『それってホントに主人公なの? あ、浅科梨乃亜で~~す!』


 声は、モニターからではなく飛行機の方から聞こえる――スピーカーがそっちの方にあるのだろう――


「……背景から見るにどこかの学校か? そっちは日本なのか?」


 ノヴァはモニターを睨みつけながら問いかける――


『さて、ゴージャスな不審者ノーヴェル・マシーに異世界にかどわかされた日本人ってのは君か?』


 向こうにもこちらの事が見えているようだが、少し視線がずれている――


「あ、オレの目がカメラ機能になっているんで」


 そう言ってファロがモニターの上に移動する。


『えっと、ヒューマノイドを連れた僕ちゃん、お前は誰なんだ?』


「僕はノヴァ――!! 勇者ノヴァ!! 日本人なんかじゃない!!」


 ノヴァが叫ぶ――


『えっと、データ照合……』

 モニターの中で真一がカタカタと何かを作業をしている――

『あ、これなら顔認証システムも使えるわよ』


「聞いてる!? 僕は勇者のノヴァ!!


『―――――北川藤士郎―――――』


「「―――――!!!?」」


 モニターの中の真一がそう言うと、ノヴァとポラリス4世の動きが止まる――


「……どっからその名を……?」


『調べたらね――』


「し、調べた――こんな短時間で?」


『ま、日本にいる俺なら簡単なことさ』


「一体、どうやって――?」


『声、だね――』


「声……………?」


『ああ、君の声……結構特徴のある声優さんが演じているんだろ? だから同じ声優さんが演じている日本人のキャラクターを検索してみたら、北川藤士郎がヒットしたってわけ』




「「はぁ!? ふざけんな!!!!!」」


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