side-J・特佐到着
「――!? あれって!? ……ドローン!?」
プロペラ音と共に飛来してきたのは何機かのドローン!! 小さくなったオレの目から見てもわかる――結構大型のやつだ!!
バリバリバリバリバリ!!!!!
そのドローンたちから放たれた凄まじい電撃がナイトゴーレムと――ヤッタルデーを襲う!!
「何でわいまで~~~~~!!?」
ピピピピピ!!
ヤッタルデーの悲痛な叫びは、けたたましい笛の音によってかき消される――
「道を開けてください!!」
「すいません!! あの人を、特佐を通してください!!」
超常自衛隊の二人の指示で、野次馬が分かれて道ができる――その道を堂々とした態度で歩いてきたのは――
「あの人は、確か……七瀬さん!!」
現れたのは以前真一が学校であった超常自衛隊特殊三佐・七瀬銀河さん!!
七瀬さんはゆっくりとあたりを見渡し――
「連続行方不明事件の容疑者……ノーヴェル・、マシーだな? そして……………何が起こっているんだ?」
「えっと、御覧の通りかなりカオスな状況です――我々もよくわかっていないのが現状です!!」
まあ、確かに……行方不明事件の容疑者であるゴージャスな不審者、ノーヴェル・マシーはともかく……
そのノーヴェル・マシーの操る巨体のナイトゴーレム!
同じく巨体のアニメロボット、ヤッタルデー!
光る翼で宙に舞う少女と光り輝く鎧に身を包んだ少女!
「よくよく考えりゃ、想像以上にカオスな状況だ……」
「自分の意志を持ったガイノイドも含めてな」
「真一君、説明をお願いできるか?」
「え? 俺?」
七瀬さんに声をかけられ真一が焦った表情でしゃべりだす。
「ええっと、大地や大上先輩、東屋部長たちを異世界転移させたっていうノーヴェル・マシーがピンク色の扉から出てきたから、七瀬さんからもらったアプリを起動した、まずはそれが最初だよな……」
混乱した表情で今おこっている出来事の説明をしだす真一――
「まずなんか……俺のガイノイド、ファロが意志を持って動いてしゃべり出して……」
「オレの事だけど、なぜこうなったのか……原因はわかっていないだよな……」
七瀬さんに向け、オレを突き出して説明する。
オレも、できる限りフォローをしようとする。
「いや、その前に自衛隊の戦闘機がここに飛んできて……」
だからその戦闘機はどこへ行った?
「いやいや、その前だったか? それとも同時だったか? ピンク色の扉……って言うほど大きくなかったのがまた出てて来てそっからあの少女たち二人が出てきたんだっけ?」
「しかたないよ、いくらレイナちゃんが天才魔王少女でも~~残滓だけでおじ様の魔法の完全再現は無理だったんだから~~」
こちらの会話が聞こえていたらしい……空飛ぶ少女がそう返す――
「ええっと、それから……俺の持ってたヤッタルデーのフィギュアが戦闘機となんか合体融合して生まれたのがあのヤッタルデーだ――」
「え――あのヤッタルデーが自衛隊の戦闘機だったのか!?」
自衛隊の戦闘機がどのようなものなのか見てみたかったのに、どこにもない、と思っていたら……あのヤッタルデーが戦闘機の変形したものだったなんて……
「うん? あ、ああそうか――戦闘機がヤッタルデーになった時はまだファロが動き出す前、だったか?」
というか、オレの認識じゃ白い空間で真一と別れた後すぐカバンからはい出たように感じていたが……結構時間がたっていたのか?
「俺が持っていたヤッタルデーのフィギュアが、あの少女たちが現れた小さいほうの扉から出てきた謎の光に反応した謎の宝石が引き起こした不可思議現象によって戦闘機と合体融合して生まれたのがあのヤッタルデーだ」
「いや、そう説明されても理解が追い付かない!!」
「ま、そうだろうな……実際に見た俺でもよくわかってない現象だ。ヤッタルデーだけじゃなく、お前……ファロの事もな……」
ああ、この真一……オレ自身はファロになっちゃってるけど、やっぱりオレ、なんだな……
「なるほど、わからん……とりあえず、全てはお前から聞き出した方が速そうだな! ノーヴェル・マシー!!」
「ふむ、余には大体理解できるが? やはり噂通り、シンイチ・カミシロはなかなかの逸材のようだ」
「マスターの邪魔はさせん――ググ……」
ドローンからの電撃により動きを封じられているナイトゴーレムが、無理やりその電撃を突破しようと体を動かす――
「まずはそこから降りてもらおうか――」
そう言って七瀬さんは小型のバズーカ砲を構えた……




