表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】学園の二大王子がクラスの天然女子に興味を持ったようです。ってそれ俺の彼女っ!!  作者: 路地裏の茶屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/88

天然カップルとほどけない手

 色々あったなぁ。今日一日で幹久おっさんの茶番劇、日葵のお爺ちゃんに会って、最後は赤井から頼まれてしまった。どうにも頭がごちゃごちゃする。ため息をついて、屋敷のドアを開けると。


「わわ、もう帰って来た」


「私は、着替えました」


「遅いわねー。早着替えはショーでは必須よ」


 なんか二階でバタバタしているようだ。こんな日にコスプレでもしているのだろうか?

 リビングへ行くと、晴彦さんが青い顔で座っていた。


「……なんかあったんですか?」


「え? あぁ、三人は用事があるって上に言ったよ。僕は……お義父さんに船釣りの約束を取り付けられただけさ……」


「ご愁傷様です」


「うぅ……絶対、家の様子とか仕事のこととか色々聞かれるんだぁ。なんなら先回りで情報を探られるんだぁ。そうだ! 樹君、君も一緒に行けばいいじゃないか」


「ぶっちゃけ、割と楽しそうなのでいいですよ。まぁ、夏休み中ならですけど」


「予定が入ったのは9月なんだよぉ」


「じゃあ、無理ですね」


「そんな~」


 崩れ落ちる晴彦さん。そのまま自室へと言ってしまった。入れ替わるように、日葵達が降りてくる。

 

「何してたんですか?」


「ちょっと、日葵と咲月を誘って女の話をしてたのよ」


 葉香さんがウインクをしてくる。でた、女の話。これ言われると男子は突っ込めないよなぁ。


「わかりました。じゃあ、疲れたんで寝ます。おやすみなさい」


「はい、お休みなさい」


「ゆっくり、休んでください」

 

 葉香さんと咲月ちゃんと挨拶をして、部屋を出ると横についてくる日葵。

 

「ん? 日葵も寝るのか? っていうか、普段ならもう寝てる時間帯か」


「うん……ねむねむでっす」


 時計を見れば夜の11:30日葵は普段11時頃に寝ているだろうから、もう眠いのだろう。

 二人して階段を昇り、左右に分かれようとすると袖を引っ張られた。


「おっと、どうした?」


「イックン。明日、デートしよっ?」


 うつらうつらとしており、半分寝ているようだが。しっかりとこっちを見てそう言った。


「……明々後日にはパーティーだろ? 準備とか色々あると思うが……いや、行こうぜ」


 大事なのは日葵との時間だ。もちろん、幹久のこともあるがそれもデートにすればいい。


「うん、ありがと。大好きイックン」


 寝ぼけたまんまで腰に抱き着いて、犬のように顔をグリグリとこすりつけてくる。

 本格的に眠たくなってんな。


「部屋まで送るよ」


「……うん。ふぁ~」


 手をつないで、部屋まで行くとそのまま日葵はベッドに倒れた。

 

「にゃむ……にゃむ」


「風邪ひくっての、まったく」


 盛大にダイブしたので、パジャマがめくれている。成るべく見ないように直して、タオルケットを掛けると眠った日葵に手を柔らかく握られる。振りほどくのは容易いが、なんだかそれができなくて……。

 自然に解けるまでいてやるか。片手を握られたまま、ベッドの脇に座る。


 つい先程まで、先のことを考えて煮詰まっていたのに、今は穏やかである自分に気づいて苦笑する。


「我ながら、単純というか、馬鹿というか……」


 この手を離さないことがだけを俺は考えればいいと、なんの根拠もないくせにそう思う。

 慎重に日葵の手を握り返して、背中越しにその寝息を聞いてのだった。



 

ブックマークと評価ありがとうございます。もしよろしかったら、ポチってくれたらモチベーションが上がります。よろしくお願いします。

感想も嬉しいです。



ハイファンタジーでも連載しています。よかった読んでいただけたら……(文字数100万字から目を逸らしつつ)嬉しいですっ!下記にリンクあります。


『奴隷に鍛えられる異世界』

https://book1.adouzi.eu.org/n9344ea/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓ハイファンタジーでも連載しています↓

奴隷に鍛えられる異世界生活

― 新着の感想 ―
[良い点] 物理的にも、精神的にも手を離さないイックン。 でも、手は出さない紳士ですな。 [気になる点] きっと母と妹がにまにましながら覗いてる。 [一言] >リビングへ行くと、幹久さんが青い顔で座っ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ