幸洋 お熱を出したよ そして、気づいたよ
少し前から、幸洋の様子が可笑しい。
元気がない。
バスは不安げに、幸洋を見ている。
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母さん「幸洋、様子が変なの」
父さん「ああ、確かにだ」
バス 『幸洋様、どうしましたか?』
幸洋 『少し頭が痛いんだ』
バス 『だ、大丈夫でありますか!』
母さん「病院に行くわ」
父さん「ついて行く!」
バス 『あっ、皆様……出来れば自分も!』
クマ 『無理だな、みんな気づいてない』
バス 『そんな!』
幸洋、行ったよ
幸洋、行っちゃった
バス 『……いってしまわれた』
カッパ『大丈夫だ、じいちゃんよりは全然平気!』
バス 『なんでありますか!』
ハート『じいちゃんは、死と向き合ってます』
バス 『だからと言っても!』
バス、大丈夫だよ
ここは、信じよう
バス 『信じる……でありますか』
クマ 『そうさ、信じようぜ』
……ニャン太
何、ポン太
信じる……いつから、覚えたのかな?
そう言えば! いつからかな
クマ 『……信じるか』
カッパ『この言葉は、人間も品も同じだよ』
クマ 『俺は品の俺達こそが大事だと思う』
どうして?
うん、どうして?
クマ 『俺の考え聞くか?』
うん、聞きたい
うんうん
クマ 『よし!』
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第三十六話
動けない
俺達、品は動けない。
これが全てだ。
使われるだけ、だからどうなるかわからない。
「うん、わかる」
「人間の考え方次第だね」
そうなっている俺達が唯一出来ることは、人間を信じることだ。
もちろん、信じてひどいこともある。
だけど俺達は動けない。
動けないから、信じている。
「動けないから」
「信じるか」
人間と品は繋がらない。
繋がらない関係だから、俺達は信じるしかない。
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なんだか、寂しい
そうだね
ハート『私達にも、心は在るのに』
カッパ『心……か』
バス 『……』




