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父さんと、じいちゃん

 じいちゃんが病院から帰り、父さんとじいちゃんが話しをしていた。

 母さんはじいちゃんを降ろして、幸洋とバスをお供に買い物に行く。そこでじいちゃんが、父さんと会話をする。

 内容は父さんの人柄そのものだった。

 いつもの部屋には、いつもの仲間と廊下にポンニャンがいた。仕事中でじいちゃんの足に、先程までいた。

───────────────────────

じいちゃん「よう、帰ったぞ」

 父さん 「お帰り」

じいちゃん「母さんは?」

 父さん 「買い物だ。幸洋を連れて」

じいちゃん「そうか」


 

 じいちゃんが帰って来た。

 うん、帰って来た。

 なんだかうれしそう。

 ……うん


 クマ 『じいちゃん、大丈夫そうだな』

 カッパ『みる限りは、そうだな』

 ハート『しかし実際は……』


 ハート! お前なあ

 ハート、止めよう。


 ハート『はいはい』


 

じいちゃん「さて、ポンニャン、みんなの所へもどしてやろう」

 父さん 「母さんの、お約束をするんだ」

じいちゃん「いいだろ」


 

 あっ、戻ってきた

 ただいま、みんな

 ありがとう、じいちゃん

 うん


 クマ 『ポンニャンも大変だな』

 ハート『そうよね、人間ひとに使われて』

 クマ 『使われて……か』



じいちゃん「なあ、息子。ワシはこの先、お前らと居られるのか」

 父さん 「医者からなんか言われたか?」

じいちゃん「ヤブ医者め、治療を頑張りましょう! なんて言っとった。勇気付けてくれているらしいが、あまりにも白々しい」

 父さん 「医者なんて、そんなもんさ」



 じいちゃん、不安そう

 ねえ、そもそもどうして人間ひとは病院に行くの?

 

 クマ 『死にたくないからさ』

 カッパ『そうだな』


 

 ねえ、死ってなに

 うん、死ってなに


 

 ハート『いい質問! だけど、難しいわ』

 クマ 『確かにだ』



 クマ、おしえてよ

 おしえてよ



 クマ 『……難しい、無理だ』


 

 えー!

 どうして!

 

 カッパ『無理だな確かに!』

 

 

 じゃあ、どうしてわからないの?

 どうしてわからないの?



 カッパ『……教えてやるよ、何故、わからないのか

 ハート『あら、意外ね! 私が教えてあげようと思ったのに』

 カッパ『オラでいいだろ。たまにはな! さてと……』



───────────────────────

 第三十五話  

 わからない


 人間ひとはいつか終わる。

 これは、死と呼ぶ。


 「それは……」

 「わかるよ」


 そうだな、では人間ひとが死を怖がるのは……


 わからない


 これだからだ。


 「わからない?」

 「何がわからないの」


 人間ひとが死を迎えた後、どうなるのかわからなないんだ。

 先の見通しが見えないのさ。

 

 「教えてもらえばわかるのに」

 「そうだそうだ」


 死を迎えた人間ひとは……


 生きている人間ひとと交われない。


 だから、わからないんだ。

 わかりたくても、わかるやり方がないんだよ。


───────────────────────


 クマ 『実は人間ひとだけじゃあない。エアコン先生、スマホ……どうなったか、わからないだろ。つまり、死は全てがわからないんだ』



 全てがわからない

 全てがわからない


 

じいちゃん「儂は、もがくぞ! 一秒でも生きてやる!」

 父さん 「……ああ、そうだ。生きてくれ」

じいちゃん「死にたくないんじゃ! 何歳になってもじゃ! 儂は自然の流れに逆らっても、生きたいんじゃ!」

 父さん「……そろそろ、母さんが帰る。そして幸洋も!」

じいちゃん「幸洋の物心付くまで、先ずはここが目的じゃ」


 

 じいちゃん、大丈夫! 生きられるよ

 ……そう、思うようにするよ


 


 

 

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