バスと幸洋
幸洋はお気に入り、バスと遊んでいる。
ポンニャン、カッパ、うらやましく見ているのだが、クマだけは様子がおかしい。
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幸洋 「ブーブー」
バス 『ハイ、ブーブーです』
バス、今日も幸洋といっしょだ。
お気に入りだ。
ボクたちは、母さんとじいちゃんたけど!
うん。
カッパ『うらやましい、オラはいつも見ているだけだし』
クマ 『……』
ねえ、クマ?
どうしたの?
クマは、バスの事キライなの?
変な喋り方かイヤなの?
クマ 『キライではない。ただ、見極めているんだ』
カッパ『見極め?何をだ?』
クマ 『すまない、今は言えない。ただ、バスの様子見だと言っておく』
バス 『ブーブーであります』
幸洋 「ブーブー、バース、バース」
バス 『幸洋様……まだ、居ますか』
幸洋 「…………」
バス 『……』
幸洋 『……』
バス 『本日は何でありますか』
バスは、幸洋と相変わらずお仕事だ。
お仕事より、遊んでいるような。
よく似たものだよ。
うん。
カッパ『幸洋の背中に、バスが見えないな』
クマ 『……』
バス 『幸洋様……でよろしいですか?』
幸洋 『様はいらないよ』
バス 『では……幸洋……様……申し訳ありません、やはり……』
幸洋 『わかった、えーと、今日は何の話を聞かせてくれる?聞きたい?』
バス 『本日は聞きたいであります』
幸洋 『何を?』
バス 『どうして、幸洋様は自分……いや、ポンニャンやクマ、カッパなどと喋れるのかであります。ポンニャン、カッパは気付いてはいませんが、クマは恐らく気付いております』
幸洋 『そうなの?でも、バスだけだからね!』
バス 『ありがとうございます』
幸洋 『いきなりだけど、教えてあげるよ良いかい?』
バス 『はい、お聞きします』
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第二十七話
千日
バス、実はバスと喋れる時間は限られている。
人間は大きくなっていく。
「はい、品とは違います」
時間の流れが、人間の時間になる前は、実は……
品の声をきき、人間の声を聞けるんだ!
でも、時間が限られている。
「して、幸洋様と自分はいつまで、このような関係でありましょうか?」
母さんからサヨナラして、外の世界に出て……
だいたい、千日だ。
今、半分くらい時間が過ぎた。
こうして、たくさんのことを聞いたり、聞かせてもらったりするのは、後半分くらいの時間だよ。
「それまでに、たくさんお喋りを致しましょう」
うん。
「ところで、千日を越えてしまいますと、自分の記憶はどうなりますか?」
封印される。
封印、鍵のない箱に、記憶を封印されてしまう。
封印が解けるのは……いつになるやら。
「封印ですか」
うん、封印だよ。
消滅ではないから。
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母さん 「あら、幸洋!またバスと遊んでいるわ」
父さん 「いい買い物だったな!」
カッパ 『母さん、父さん、幸洋を見ている』
うん
うん
クマ 『……いずれは、聞いてみるか』
え?
何を?
クマ 『何でもない』
父さん「オヤジ、今のところはクスリが効いているらしい」
母さん「頑張ってるわね」




