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84.グリモ強化

「♪」


 どうやら、インテリジェンスブック改めグリモも俺のつけた名前を気に入ってくれたようだ。

 しかし、ここである問題が発生した。

 以前、イトスに作ってもらった杖と盾だ。重量的に問題ないとはいえ両手がふさがっている状態で、グリモを持つことができない。


 こうなると以前の丸盾のような腕に着ける小さいタイプの盾に変えるか、タンク職の役割ができるモンスターを仲間にするしかないな。

 今回は仕方ないので、杖をしまってグリモを装備する。

 安全重視でグリモの強化が最優先だ。明日は学校が休みなので、ラビンスに戻りダンジョンでレベル上げだ。


 ……………………。


 次の日、王都のテイマーギルドでグリモの従魔登録を済ませる。

 危険書物のある図書館ではよく見かけるモンスターらしく、特に驚かれることは無かった。

 グリモの従魔登録を終えた俺は、馬車でラビンスに戻り迷宮ダンジョンに潜ることにした。

 上層部なら今までも問題なく戦えていたので、ここでレベル上げをする。

 ここに来る前にミーシャに頼んでいた服と、イトスに頼んでいた斧を受け取っているのでテストも兼ねることにした。

 今回作ってもらった装備の性能はこんな感じだ。



鉄塊の斧   鉄の斧。重量を度外視してダメージ量を上げてある。

 耐久値 800

 ダメージ量 200

 重量  50



黒司書のコート   司書が着る黒いコート。

 耐久値 300

 耐久力 +20

 重量  5


黒の靴   ただの黒い靴。

 耐久値 300

 俊敏力 +10

 耐久力 +10

 重量  5



 今回は俺から装備のための素材を提供せず、全てRラーンによる支払いだ。

 エラゼム用の斧だが、2mを超えるエラゼムよりも大きな鉄の塊のような斧だ。

 重量を度外視して、できるだけダメージを与えられるように調整してもらった。


 普通のプレイヤーでは防具の関係などで装備できないであろう1品だ。

 これを手に入れたおかげでレベル上げはだいぶ捗ることだろう。

 いい刀が手に入るまでこいつがエラゼムのメイン武器になる予定だ。


 続いて俺の装備だが、ついに初心者装備を卒業した。

 装備としてはありふれたものだが、初心者装備よりはるかにいい装備だ。

 さらに俺の生存確率が上がった。

 

 これでグリモが強化されれば中ボス戦に挑戦できそうだ。


「!」


 グリモもやる気十分のようだ。

 俺はいつもの迷宮ダンジョンに入るために総合ギルドに向かう。


「あっ。ウイングさーん」


 総合ギルドに入ると声をかけられた。

 声のした方を向くとコロとネンがいた。その後ろに数人いるのでパーティーでダンジョンに挑戦する前だろうか。

 俺はコロたちに手を振って近づいていく。


「久しぶりだな。コロ、ネン」

「久しぶりだな、ウイングさん。装備変わったんだな」

「それに従魔も変わってますね。リビングアーマーはいませんがどうしましたか?」


 コロがそういってきたので、俺は幽鬼になったエラゼムを指さして答える。


「こいつがそのリビングアーマーだ。特殊進化で幽鬼という種族になったんだ」

「そうなんですか? 初めて見ました」

「俺も初めて見た。やっぱり、侍のつける甲冑もかっこいいな!」


 どうやら、ネンは日本式の甲冑になったエラゼムを気に入ったようだ。


「コロたちはこれからダンジョンか?あそこで集まっていたようだけど……」

「そうなんですが、リアルでの友達がまだ1人来ていないので待っている状態です」

「そこに気になるモンスターを連れた知り合いがいたんで、暇つぶしに声をかけたんだ!」


 俺達がそんな話をしていると、俺が持っていたグリモが震える。

 それを見たコロたちが驚いて俺に質問してきた。


「その本なんですか?」

「ああ、こいつはインテリジェンスブックという本型のモンスターだ。装備品扱いになるモンスターなんだ。名前はグリモ」


 俺はそう言ってグリモのページを開く。


「♪♪」


 どうやら、エラゼムを紹介したのに自分を紹介されなかったので、震えることで自己主張したようだ。

 今はわが意を得たりと、ご機嫌らしい。


「こんなモンスターいるんですね」

「面白いモンスターだな」

「今日はこいつのレベル上げのために迷宮ダンジョンに入るつもりなんだ」


 俺達がそんな話をしていると。


「おーい!コロー。ネーン。全員そろったからダンジョン入ろーぜー!」


 先ほど、コロたちと一緒にいた集団が声をかけてきた。


「あっ。それではメンバーが揃ったようなのでこれで失礼します」

「またなー」


 コロたちはそう言って集団に合流していった。

 さて、俺もグリモのレベル上げをするとしますか。


 ……………………。


≪従魔グリモがレベルアップしました。≫

≪テイマーのレベルが上がりました。≫


 今のところ順調にレベル上げができている。

 グリモは自分で行動できないので俺が積極的に魔法を使う事で貢献度が上がる。

 俺は普段後ろでハーメルたちに指示する事がメインだが、今回は積極的に戦闘に参加している。


 本当ならエラゼムに先頭に立ってもらえば一瞬で終わる

 しかし、それでは貢献度が全てエラゼムに行ってしまい、グリモに経験値が入らない

 今回は斧をテストした後は俺の護衛をメインにやってもらっている。

 ちなみに、今いる迷宮ダンジョンの7階層のモンスターは、エラゼムの斧だと一撃で倒せる。


 しばらくはグリモのレベルアップに力を入れよう。

 9階層で戦闘して、杖を装備した時より楽に戦えるようになれば、中ボス戦に挑戦してみようと思う。


 ……………………。


 この1週間はグリモのレベル上げをしながら、消耗品を集めていた。

 目論見通り、グリモがレベルアップしていくごとに戦闘は楽になってきている。

 そろそろ、中ボスに挑戦してみようかと思う。


NAME「グリモ」 

種族「インテリジェンスブック」LV10 9UP 種族特性「魔法生物」「装備品」

 HP 10

 MP 280  180UP

筋力 1

耐久力 1

俊敏力 1

知力 21  6UP

魔法力 41 26UP

 スキル

「魔力上昇LV2」1UP「火魔法LV2」1UP NEW「水魔法LV1」


 グリモは俺が魔法ばかり使っていた影響で、SPがMPと魔法力ばかりに振られている。

 そして、俺が頻繁に使う水魔法を覚えた。

 グリモが成長してくれたおかげで俺の魔法も他の魔法職系のプレイヤーと遜色ないレベルになってきている。

 これでDランクの中ボスと戦えるだろう。

 俺は気合を入れて迷宮ダンジョンに足を踏み入れた。


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