6.自分のステータス確認
旧11.12です。
NAME「ウイング」
種族「人族」 種族特性「器用貧乏」
HP 100
MP 100
筋力 10
耐久力 10(+7)
俊敏力 10(+2)
知力 10
魔法力 10
戦闘職「テイマー」LV1
生産職・特殊職「司書」LV1
スキル
「調教術LV1」「隠密LV1」「闇魔法LV1」「言語LV1」「読書LV1」
装備品
初心者テイマーの鞭
初心者司書のコート
初心者の靴
司書の目録(初)
総重量 4
称号
「才能を示す者」「ナビさんのお気に入り」
「なんなのこれはーーーーーー!突っ込みどころが多すぎるよ。このスキル構成でどうやって戦うの?どうしていきなり称号が2つもあるの!」
俺は妹のハルが騒いでいるのを聞き流しながらスキルや称号の確認していた。
「調教術」LV1 アクティブスキル
アーツ
・LV1 テイム 消費MP20 ・・・条件をそろえた状態でモンスターに使うと魔力的なパスをつなぎ対象のモンスターを従魔にすることができる。
「隠密」LV1 アクティブスキル
アーツ
・LV1 気殺 ・・・文字通り気配を殺すアーツ。使用後、5分間周囲から認識されにくくなる。効果の終了後30分は使用不可。
「闇魔法」LV1 アクティブスキル
アーツ
・LV1 バインド 消費MP10 ・・・相手の動きを阻害する魔法。使用後、2分間対象に対して行動阻害の状態異常を付与する。
「言語」LV1 パッシブスキル
・LV1 認識不能扱いの文字を時間をかければ部分的に解読できる。
「読書」LV1 アクティブ・パッシブスキル
・本を読んだ際、内容に対応したスキルの熟練度上昇
・LV1 本を読むとき文字数と内容に応じてスキルの熟練度に補正(小)
アーツ
特殊 速読 消費MP10 ・・・本を対象に発動し最初のページからスキルレベル×100文字分を読んだものとしてスキル熟練度を得る。同じ本に対して1回使用できる。
せっかくアーツを習得したのはいいが俺には何の意味もないな。
要するに、内容を読まずに読んだことにするスキルというわけだ。
読書を楽しみたい俺としては逆に使いたくないアーツと言える。
あと、特筆する点としては、「調教術」スキルのアーツ テイムの消費MPが他と比べて多いことと「言語」スキルがあまりにも意味不明であることだ。その程度でスキルとして存在できるのかと思うレベルである。今後の成長に期待といったところだろう。
続いて称号
「才能を示す者」 チュートリアル中にスキル及びアーツを取得できた者に贈られる称号。
効果 ・・・未習得のスキルでもっとも習得が近いスキルがわかる。現在最も習得に近いスキルは「魔物知識」
「ナビさんのお気に入り」 チュートリアル専用のNPCと友好を結べたものに贈られる称号。
効果 ・・・初めて話すギルド職員の対応時に友好度上昇に補正(微)
チュートリアル中に手に入る称号だからだろう。劇的な効果は無いが、あったら助かるというレベルだ。
「才能を示す者」の効果はゲーム内の行動指針を決めるのに利用できるだろう。
「ナビさんのお気に入り」はどの程度効果あるかわからないが(微)とある以上期待はしない程度で見ていたほうがいいだろう。というか、愚痴を聞いただけで称号をもらえたことに感謝するべきだろう。
「もーーー!お兄ちゃん聞いてるの!」
そろそろハルがしびれをきらしてきたみたいだ。
「騒ぐな。周りに人も多いんだぞ」
俺の注意にハッとしてハルは慌てて口を押える。
「それでどういうこと?」
今度は小声で話し始める。
「とりあえず場所を移そう。他の人の移動の邪魔になるから」
俺はそう言ってギルド近くにある噴水を指さした。
「そうだね。とりあえず、移動しよう」
噴水の縁に腰を下ろした俺たちはさっそく先ほどの話の続きをする。
「とりあえず、聞きたいことが多すぎるから、1つずつ確認するよ。
まず、職業のテイマーと司書はいいよ!もともと本を沢山読むためにこのゲームを始めたのは知ってるから、戦闘系は後回しになるだろうなとは思っていたよ。
でも初期スキルに攻撃系のアーツが1つもないのはどういうこと?」
「もともと戦闘は仲間にした従魔に任せるつもりだったし、自分たちが戦闘から逃げられるようなスキル構成にしたつもりだ。それとネットで調べたときテイムは戦闘しなくてもできるとあっただろ」
「そうだよ、確かにテイム自体はえり好みしなければそんなに難しくないよ。だけど、戦闘できるモンスターのテイムは違うよ!」
「どういうことだ?」
「瑠璃ちゃ……ラピスちゃんからの受け売りだけど、このゲームは作りこみが凄いと話題だったのは知ってるよね。モンスター1体1体に感情AIを積んでるくらいには」
「ああ」
瑠璃さんのゲーム内の名前はラピスというのか。
「戦闘以外で仲間にできるモンスターってね、基本的に温厚な性格のAIを積んでることが多いんだよ。そんな子たちが積極的に戦闘に参加すると思う? もっと言えば戦闘スキルを持っていない可能性もあるんだよ」
「うぐ」
確かにそれは盲点だった。よく考えてみれば、確かに戦闘に積極的ならまず戦闘から入るだろう。そうすると、俺のスキル構成では戦闘に入った時点で逃げる一択である。
しかも、職業の司書が特殊系であるため生産系のスキルをとらなかった。そのため、物で釣ることもできない。・・・やばいのか?
「その顔は自覚してきた顔だね。そしたら次の質問「ナビさんのお気に入り」はわかるよ。
けどもう1つの「才能を示す者」ってなに?」
「それは……………………というわけなんだ」
俺が習得の経緯をかいつまんで説明すると。
「そんな重大な情報がチュートリアルで拾えたなんて! もっと言うならチュートリアルで複数の称号が取得できたなんて!」
「あまり広げてほしくなさそうだったから身内に教えるだけにしとけよ」
「わかったよ。お兄ちゃんが持ってきた情報だからね。お兄ちゃんの考えに従うよ」
それから少し話をして
「情報交換も終わったけどこれからどうするか」
俺がそう切り出すと
「私はとりあえず普通にギルドに行ってクエストこなしていこうかな」
「俺はとりあえず図書館を探しながら町中でできるクエストでもやるかな」
俺は妹の話を聞いているときにあることを思い出していた。




