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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
2.迷宮都市(初級ダンジョン編)
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52.次の目的地

短めです。

 ひとまず落ち着いたのでゴブリンキング戦の戦果を確認する。


小鬼王の剣

 耐久値 80

 ダメージ量 20

 重量  2


到達者の証(初)  初級ダンジョンを攻略したものに与えられる証。正式にダンジョンの攻略に乗り出すことができる許可証でもある。

 

 小鬼王の剣はゴブリンキングからのドロップ品だ。

 そこはやはり初級ダンジョンとはいえ、ボスの戦利品なのでNPCの作った剣より攻撃力は高い。

 しかしモンスターからの戦利品だからか耐久値が低い。

 そして、配下のドロップ品は無いらしい。


 もう一つ、宝箱から出たアイテムであるが1枚の紙だった。

 そもそも初心者ダンジョンは他のダンジョンのような歪からできたものと違い、インフが試練として作ったダンジョンである。

 このダンジョンを攻略できないようでは他のダンジョンへの挑戦は無謀であるという事らしい。

 このアイテムを総合ギルドに提出すれば晴れてダンジョンランクがEになる。

 俺はアイテムを確認し終えると、総合ギルドに向かう。


≪到達者の証(初)を提出しました。ダンジョンランクがEランクに昇格しました。ギルドカードをご確認ください。≫

 

 ギルドカード

  ダンジョンランク   E


 これでイベント前にダンジョンランクを上げることができたな。

 それなら1度ファーストに戻って読書の続きにでも勤しむとしようか。

 次のログインの時に帰ってくれば合流には余裕で間に合う。

 どちらにしろ、ハーメルのデスペナを待つ必要があるしな。

 初級ダンジョンを攻略したご褒美としてガッツリ読書に励むとしよう。

 俺は乗合馬車でファーストに戻るのだった。


 再びログインした俺は司書ギルドに向かう。

 さすがに今のハーメルを子供たちに預けるのは酷というものだろう。

 ハーメルたちを一時預かり所に預け、図書館での読書に没頭するのだった。


 ……………………。


 ギリギリまで読書に時間を割いていた俺は何とかログイン時間内にラビンスに戻ってくることができた。

 もちろん馬車の中でも本を読んでいた。

 しかし、その本を見ながら俺はあることに悩んでいた。

 今後自分の本が増えていく関係上早めに保管できる場所を確保しておきたい。

 それには自分で収集した本を置いていく拠点を手に入れる必要がある。

 他のアイテムと違い、本は1冊1冊でアイテムボックスを埋めてしまうのでかなり圧迫する。

 総合ギルドに預けることはできる様だが、今回のようなイベントによる強制預りなどでなければ有料だ。


 しかも預ければ預けるほど当然、料金は上がり続けるため、ずっと預け続けることはできない。

 ただ拠点の購入については調べているが、他のプレイヤーも見つけられてないらしい。

 クランの発足が解放されているのだから拠点の確保ができてもいいはずなのだが。

 クラン発足のクエストが出ているが、どうやらダンジョンランクか職業ギルドのランクがCになると受けられるようになるらしい。

 そのクエストがある場所がイニシリー王国の王都らしく、そこに行けば拠点も購入できるのでは? というのが共通見解のようだ。


 ただプレイヤーの中でランクCが出たのが最近らしい。

 そのためイベントがすぐそばまで来ている関係上、クラン発足のために動くよりは自らを鍛えてイベントに備える流れになっているらしい。

 俺は今後の事を考えながら、待ち合わせ場所の付近でログアウトするのだった。


 ログアウトした俺は春花とともに昼食をとっていた。


「お兄ちゃん。集合の場所はわかってるよね?」

「ああ、問題ない。その近くでログアウトしたからな」

「そうなんだ。ところでもともとの目的だった読書は捗ってる?」

「それがな。図書館で本は読めているんだが、小説と伝記のエリアを読破したあとはほとんど技能本なんだよ。別に読むのはいいんだ。だが、同じような内容を繰り返しってのはどうしても疲れてくるな。できればもう少し小説の……」

「わ、わかったから少し落ち着いてね」


 ちょっと熱くなっていたからか、まくしたててしまっていた。


「悪い。今後のことを考えるとな。ダンジョンランクがCになるより先にあの図書館を読破してしまいそうなんだよ」

「わぉ! それはすごいね。外から見てもかなり大きな図書館だったはずだけど。どれだけ本を読むことに熱中していたかわかるよ。でも、それなら王都を目指すのもありじゃない?」

「ようやく初級ダンジョンを攻略した程度のやつが行って大丈夫なのか?」


 王都というくらいだ、ファーストの図書館とそん色ないくらいには図書館が大きいと思われる。

 それにファーストの図書館と違い、技能本の割合が多い必要はないはずなのでまだ見ぬ小説たちが待っているはずだ。


 しかし、戦闘能力の低い俺が向かって大丈夫なのだろうか。

 ネットでは行くのは楽勝とあったが、それは戦闘に慣れている奴らだからだと思うんだが。


「何言ってるの、お兄ちゃん! 王都の周りが危険だったら大変なことになるよ。行くだけなら初級ダンジョン攻略していれば余裕だって」


 どうやらダンジョンランクか職業ランクがC以上でないとやることが無いだけで、王都に行くこと自体はさほど難しくないらしい。

 ただ、真っ先に行ったプレイヤーがクラン発足クエストの情報を持ち帰ってきたことで、急いで王都に向かうやつがいなかったらしい。


「それならファーストの町にある図書館を読破したら今度は王都にでも行ってみるかな」


 まだ本は沢山あるので読み切ってから王都に行ってもいいだろう。その方が読書ができる上に、先に進むのに便利なスキルも手に入って一石二鳥だ。さすがに同じ内容のものは速読になるだろうが、変に残しておくのも気になってしまう。


 イベントが終わったらファーストの図書館の読破を目指しながらお金を貯めるかな。

 そして本を置ける拠点を手に入れよう。

 当面の目標が決まったのでここからはイベントの事に集中しよう。

 とりあえず瑠璃さんたちと合流が先決だな。


 次の図書館へGO

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