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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
2.迷宮都市(初級ダンジョン編)
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49.ボス戦への道



 馬車の中で先ほど購入した本を読んでみる。

 どうやらシークレットクエストに使われた本を書いた人の作品なようだ。

 読んでいくと確かに同じ人が書いたんだろうなとわかる内容だった。

 しかし、技術的には成長が見られ以前の本みたいな出オチ感はだいぶなくなっていた。

 クローレンのようなすさまじい才能を感じるような作品ではないが、今後が楽しみな感じだった。


 大体、1冊が読み終わったくらいでラビンスに到着した。

 俺は本をしまい下車する。

 さて、目標に向けて頑張っていきますかね。


 総合ギルドに入り、初級ダンジョンの門の前に立つ俺。

 前回手に入れた6階層からスタートできるアイテムは今回使わない。

 そのまま1階層から挑戦しようと思う。

 理由はずばりお金だ。

 本を購入したことでまた金欠に逆戻りしてしまったため、素材を沢山手に入れて売却していきたいと思う。

 俺は初級ダンジョンの門をくぐる。


 5階層までは特に問題なく進むことができ、中ボスも必勝パターンでKOした。

 最初の失敗をしたときはどうしようかと思ったが、情報をしっかり生かせればそれほど苦ではないらしい。

 6階層に降りるとそこは一面真っ白だった。


 どうやら雪山エリアに当たったらしい。

 雪山エリアはその名の通り、雪の降り積もる緩やかな傾斜のあるエリアだ。

 次のフロアに降りる階段が洞窟の中にあることも特徴だが、最も厄介なのは天候だ。

 3パターンあり普通に雪がパラパラ振っている時はいい。

 しかし晴れの日だと雪崩が発生する可能性があり、ダメージを受ける上に押し戻される可能性がある。

 もっとひどいのは吹雪だ。常時、何の対策もしていないと天候からスリップダメージが入る。そのうえ視界が悪く、洞窟の発見が遅れるためさらにダメージを受けるという寸法だ。


 今回は普通に雪なので特に問題ないが、このエリアではほとんどハーメルが行動不能だ。

 まず、辺り一面が雪景色なため泥を確保できない。

 そのうえ雪による行動阻害をもろに受けるのでいつものようなかく乱も使えない。

 よって俺のローブの中で危険を伝えるくらいしかすることがなくなってしまうわけだ。

 ……そろそろ新しい従魔が必要かもしれない。もしくはハーメルの手札を増やす必要がありそうだ。

 しばらくするとモンスターが現れる。


「ウォーーン」


 森林エリアでも見たウルフ系だが色が違う。

 森林エリアのウルフは灰色だったが、雪山エリアはどうやら真っ白なようだ。

 一面銀世界のこのエリアでは気を抜くと見失いそうだ。


「ヌエはかく乱しながらこちらに誘導してくれ。ハーメルは危険察知を使って辺りを警戒。エラゼムはヌエが連れてきたウルフに止めだ」


 ウルフが1匹しか出てこなかったのでいつもの必勝パターンで戦いにのぞむ。


 何回か戦闘してみたが、やはり手数が足りず攻撃を受けたり時間がかかることが多かった。

 特にこの雪山エリアは行動阻害のオンパレードだ。

 雪の積もった地面、斜面、視界にちらつく雪のせいでモンスターの接近に気づけないこともあった。

 ハーメルの危険察知のおかげで何とか直撃は避けたが、初動が遅れたのは事実だ。

 やはり従魔を増やした方がいいかもしれない。だが、拠点を持っていないので管理が難しいな。

 その後も、いくつかの課題を見つけながらようやく洞窟を発見する。

 しかしすぐには入らない。6階層以降のフロアはそれ以前のフロアよりはるかに罠の数が多い。


 雪山エリアはその構造上、罠を仕掛けられるポイントが限られる。

 慎重に近づいていくと洞窟の一部が変色しているのを見つける。

 それが床に続いていたのでその部分を水魔法で攻撃してみる。

 すると変色した部分がガラガラと崩れてくる。どうやら落とし穴らしかった。

 下を覗いてみると特に何もなかったので本当にただの落とし穴のようだ。

 ……今回は天気が普通の雪だったからよかったが、晴れや吹雪ならかなり痛いダメージを受けたかもしれない。雪崩なんて起こったら雪で生き埋めの可能性もある。

 嫌な想像をしてしまった。

 俺はそそくさと次のフロアへの階段を目指すのだった。


 ……………………。


 それから9階層までのフロアで戦闘を繰り返す。お金に余裕ができたのでファーストの図書館と往復しながら準備を整えていく。

 6階層から9階層の間で増えたエリアは以下の通り。


 雪山エリア  雪の斜面を登っていくエリア。天候の違いでかなり難易度が変わる。次のフロアへの階段が洞窟の中にある。モンスターの種類はウルフ・熊系がメイン


 遺跡エリア  迷宮のエリアに似て壁・床・天井が石のブロックでできているがどことなく劣化している。そのためか床や天井が崩れてくるトラップが多かった。今のところ落ちてしまうと復帰するすべがない。そのため自決しないといけなくなるので細心の注意が必要だ。モンスターはスライム・ゴーレム系だった。


 草原エリア  今さら感があるがゲームではお馴染みのエリアだ。しかし、下のフロアに行く階段が草の陰に隠れているので探すのが難しい。モンスターの種類はゴブリン・スライム・オークがメインだ。


 トラップが増えた影響か罠がわかりづらかったり、気にする余裕を奪うエリアが増えたように思う。

 初級ダンジョンの攻略と並行して図書館でのスキルの習熟に取り組む。

 小説や伝記を読破してしまったのもあるが、ダンジョン攻略やイベントに役立つスキルの習得、レベルアップを目指すことにした。

 そういうサイクルを続けて数日。その成果がこちら


NAME「ウイング」


種族「人族」 種族特性「器用貧乏」

 HP 300

 MP 900  

筋力 20     

耐久力 30(+36)  

俊敏力 30(+2)  

知力 75  

魔法力 10(+5)

戦闘職「テイマー」LV13  2UP

生産職・特殊職「司書」LV13 2UP  


SP  5


戦闘スキル

「調教術LV3」1UP「隠密LV2」1UP「盾術LV2」1UP NEW「杖術LV1」

魔法スキル

「闇魔法LV2」1UP「水魔法LV2」1UP NEW「火魔法LV1」

知識スキル

「言語LV2」「読書LV5」1UP 「魔物知識LV3」1UP「種族知識LV2」1UP「医療知識LV1」「気候知識LV2」1UP 「迷宮知識LV3」2UP

生産スキル

「掃除LV2」「料理LV2」


装備品

木の杖

銅の丸盾

初心者司書のコート

初心者の靴

司書の目録(中)

文豪のローブ


総重量 7


称号

 「才能を示す者」「ナビさんのお気に入り」「用意周到」「物語の旅人」


NAME「ハーメル」   ウイングの従魔

種族「マッドラット ♂」LV15 3UP 種族特性「泥」

 HP 120  30UP  

 MP 200  50UP

筋力 5   2UP

耐久力 10  

俊敏力 20 

知力 6

魔法力 12  5UP  


 スキル

「危険察知LV3」2UP 「泥術LV3」1UP「隠者LV3」1UP「睡眠LV5」2UP「逃走LV2」1UP


NAME「ヌエ」  ウイングの従魔 

種族「ナイトクレイン ♀」LV14 3UP 種族特性「飛行」「夜目」

 HP 140  

 MP 160  50UP  

筋力 14   

耐久力 10  

俊敏力 25  5UP  

知力 8   

魔法力 12  5UP

 スキル

「嘴術LV2」1UP「闇魔法LV2」1UP「迷彩LV2」1UP「不動心LV1」


NAME「エラゼム」 ウイングの従魔

種族「リビングアーマー」LV10 2UP 種族特性「魔法生物」「鈍足」

 HP 100

 MP 50

筋力 43(+2) 8UP

耐久力27   2UP   

俊敏力 11(-10)  

知力 9    

魔法力 15 

 スキル

「斧術LV3」2UP「不動心LV4」1UP「筋力上昇LV2」1UP NEW「迷彩LV1」


 こんな感じに仕上がった。増えたアーツについては使った時に説明するとしよう。

 読書スキルによるスキルの習熟はポイントが分散されるからか意外と時間がかかった。

 一応、最低限のスキルは習得が成り、レベルアップできたと思う。

 ハーメルたちは持っているスキルのレベルアップが多かったようだ。

 ただ、エラゼムは街中やダンジョンの、夜の中をじっとしていた影響か迷彩が生えていた。

 明日はイベント前日なので初級ダンジョンの攻略してから、瑠璃さんたちと合流したい。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 46.中ボス戦で一度6層へ降り、森林で蛇と戦っています。 今回降りると、雪山のエリアになっているようです。 前回の続きとなるのかと思っていましたが、毎回新たに生成されるのでしょうか?…
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