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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
2.迷宮都市(初級ダンジョン編)
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35.委員長と合流

 次の日、俺は図書館に来ていた。


≪習得度が一定に達したため、スキル「水魔法」を習得しました。≫


 そしてサイトで見た時に気になっていた魔法教本を読んでいるところである。

 冨士崎との約束は午後からなので、午前中に読んでおこうというわけだ。

 最初に選んだのは水魔法。

 狙いは泥の生成だ。

 乾燥地帯ではハーメルの特性やスキルが十分に発揮されない可能性がある。

 そこで自分で泥を作ってしまおうというわけだ。

 

 「水魔法」LV1  アクティブスキル

 アーツ  

・LV1  ウォーターボール 消費MP10 ・・・水の球を生成し、相手にぶつける。水魔法初期の技。


 何とか午前中いっぱい使って水魔法を習得できた。

 読書がメインの俺は苦じゃないが、ゲームメインのやつらは何冊も読んでられないだろう。

 習得に1回のログイン時間のほとんどを使うのだ。

 先に行きたい奴が耐えられるとはとても思えない。

 それこそ本を読むことがメインな奴じゃなければ・・・。


 ログアウト後、春花と昼食を済ませる。

 すると春花がニヤニヤしながら話しかけてくる。


「そういえば、今日だっけ?委員長さんと合流するの」

「そうだな。今日中に委員長を総合ギルドEランクにする予定だ」

「そのあと迷宮都市に向かうんだよね?いよいよ、お兄ちゃんも迷宮都市か~」

「春花たちはどれくらい進んでいるんだ?」

「そうだねー。初級ダンジョンは攻略して、今いろいろなダンジョンを探索中かな」


 ネットで調べた時もあったが初級ダンジョンを攻略しないと他のダンジョンに入ることはできない。

 初級でダンジョンの基礎を学び、改めて他のダンジョンに行けという事らしい。


「お兄ちゃんがそういうの気にするのってめずらしいね」

「少しな」


  午後1時過ぎ、おそらく委員長はチュ-トリアルがあるので遅れるだろうと思い、時間を少し遅らせてログインした。

 総合ギルドの入り口あたりで待つことにした。


「待たせてしまったかしら?ふふ、ずいぶんかわいい子たちを連れているわね」


 しばらく待っているとそんなことを言いながら近づいてくる人影があった。


「はは、町の子供たちにも人気だぞ。それにチュートリアルで遅れるだろうと思って少し遅れてログインしたからそんなに待ってない」

「そう、それならよかったわ」

「とりあえずフレンド登録をしよう。やり方はわかるか?」

「ええ、親戚の子供にさんざん言われたから大丈夫よ」


 そんな会話をしながらフレンド登録をする。


NAME「リーン」

種族「鬼人」 種族特性「怪力」

 HP 150(+20)

 MP 50

筋力 15(+2)

耐久力 15(+2)

俊敏力 10

知力 5

魔法力 5

戦闘職「剣士」LV1

生産職・特殊職「運搬者」LV1

 スキル

「剣術LV1」「盾術LV1」「筋力上昇LV1」「HP上昇LV1」「耐久力上昇LV1」


 ……脳筋ビルドを勧めたのは俺だがここまで極端だと声も出ないな。

 種族鬼人は確か人族の物理特化版くらいのステータスだったはずだ。

 そこまで初期ステータスは高いわけではないのでデメリットは無い。

 特性の怪力は装備上限を計算するとき、筋力の数値を1.25倍する効果だったはずだ。

 まさに脳筋のための種族と言えるだろう。

 スキルも近接1本でいく感じの構成だ。

 

「それで、迷宮都市に行くにはどんな方法が早いかしら?」


 リーンの問いに総合ギルドの救済措置を受けるか、Fランクの中でも近場で受けられるクエストを提案する。


「救済措置は受けたいところだけど、自分がどの程度かわからないのよね。練習できる場所とかないの?」


 俺はエイコンの木がある広場へ案内する。


「すいませーん」


 俺はそこで訓練していた衛兵さんたちに声をかける。


「なにか用かい? 僕らは非番で自主練の最中なのだが」


 衛兵さんたちに事情を説明しリーンを混ぜてもらえないか相談する。

 衛兵さんは少し考え


「いいだろう。新兵を鍛えていたこともあるんだ。相手ぐらいはできるよ」


 どうやらいい人たちのようだ。


 訓練が始まるとリーンは最初、ぎこちない動きをしていたが徐々に慣れてきたのか、だんだん動きのキレが良くなってくる。


「センスあるな、嬢ちゃん。うちの新兵もこれくらい上達が早かったらなぁ」

「教え方がよかったのですよ」


 そんな会話が聞こえてくる。

 ……すでに俺より戦闘に関しては頼りになりそうなんだが。

 しばらくして打ち合いが終わる。


「ありがとうございました。これで何とか形になったと思います」

「ああ、こちらもいい汗が流せた。いい稽古になったよ」

 

 広場を後にした俺たちは総合ギルドに向かう。

 ついでとばかりに資料室へ案内し「用意周到」の称号を取ってもらう。

 その後、リーンはカウンターに向かってFランクの救済措置を受ける旨を伝える。

 救済措置の試験は公開していないので俺はホールの方で待つ。


 しばらくしてリーンがいい笑顔で出てくる。

 どうやら試験に合格したようだ。

 ……ただ少し気になるのはリーンと一緒に出てきた男。

 おそらくリーンの試験を担当した試験官なのだろうが、なんかすごい青ざめた顔をしていた。

 試験で何かあったのだろうか?


 リーンが総合ギルドのランクでEになったので剣士ギルドと運搬ギルドに登録しに行く。

 ちなみに以前、クエストを受けた時に会った引っ越し業者はこのギルド所属だ。

 リーンが救済措置を受けることに成功したので思ったより早く予定が終わった。

 食べ物をこちらで用意すれば次のログインぐらいで迷宮都市に着けそうだ。

 俺がそう言うとリーンはだいぶ恐縮していたが、俺も利用させてもらう立場なので気にしないでと伝える。


 リーンも町を回ってみたいというので一度ここで別れる。

 理由は食べ物の買い足しと挨拶回りだ。

 NPCだから気にしないでもいいのだろうが、時間ができたのでお世話になった人たちに挨拶していくことにした。


 まずはテイマーギルドに向かう。

 モーフラさんに話をすると、どうしても最後にハーメルと遊びたいと言われたので油断していたハーメルを渡す。


「チュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


 続いてリエリアさんと子供たち

 そしてまたも差し出されるハーメル。


「ヂュウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


 店主にも挨拶をしに行く

ついでに食べ物を購入する。

 司書ギルドを回った俺は最後に総合ギルドの受付嬢、レーナさんに挨拶する。


「そうですか。寂しくなりますね」

「まぁ、図書館の本を読破できていないのでまた戻ってきますけどね」


 ……………………


 挨拶回りを終え。リーンと落ち合う場所を決めてからログアウトした。

 さて、いよいよ迷宮都市か。


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[一言] ハーメルwwwwww
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