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読書好きが始めるVRMMO(仮)  作者: 天 トオル
2.迷宮都市(初級ダンジョン編)
38/268

34.職業の情報

  文豪のローブ  かつて著名な文豪が使用していたローブ。特段効果は無いが旅行用に作られたためかなり丈夫にできている。


 耐久値 ∞

 耐久力 +20

 重量  2

 

  禁書庫の鍵  どこかの国にある、閲覧を禁止されている本が納められた書庫の鍵。


 耐久値 ∞

 譲渡不可・ロストなし


 な、なんてもの寄越してくるんだ運営

 文豪のローブはいい、クローレンから贈られたという設定なら有りだ。

 耐久値∞のわりに効果は高いが、シークレットクエストの報酬としては抑え目であろう。

しかし禁書庫の鍵はだめだろう。


 一体、どんな危険な本が眠っているというのだろうか?

 それともその中にまた著名人の作品でも眠っているのだろうか?

 まぁ、禁書庫のある国も知らないし当分先になるだろう。

 すぐにたどり着いてしまってはクローレンのメッセージに反してしまう。


 俺はクローレンの本と手紙を元に戻す。

 もしかしたら、俺以外のやつもここに来ることがあるかもしれない。

 できるだけ元の状態にしておいた方がいいだろう。

 地下室を出るとすでに朝日が昇り始めていた。

 俺が階段を上がりきると同時に本棚は元の位置に戻る。

 すでに人型の姿は無く、いつもと同じ図書館の風景が広がっていた。

 俺は図書館を出るとテイマーギルドにハーメルたちを迎えに行く。

 

 ハーメルたちを回収した俺はこのあたりでログアウトすることにした。

 先ほどの事を考えると読書に集中できそうにない。

 ネットで情報を集めて今後の方向性を決めたいと思う。


 ログアウトした俺はネットでabundant feasibility onlineの職業について調べていた。

 どうやらテイマーも司書もそれなりにいるらしい。

 ただし、俺のような組み合わせはいないようだが。

 

 従魔に戦闘スタイルを左右されるテイマーは決まったビルドが存在しない。

 強いて言うなら、お金がない時にテイムするなら狼や鳥などの比較的、活躍する場面が多いものが推奨されているようだ。


 モーフラさんが言っていたことの原因はこの情報が出回っていたからだろう。

 そしてテイマーを続けていく中で一番問題になるのは従魔の食事だ。

 テイマーの組み合わせでオススメされているのは農家や商人のようだ。

 農家なら自分で作ったものを従魔に食べさせてもいいし、作ったもので食費を稼げる。

 商人も食費を稼ぐにはもってこいだろう。

 そしてどちらも力仕事のために馬や牛系の従魔を狙うことが推奨されていた。


 続いて司書であるが、主に魔法使い系の人に推奨されていた。

 生産職に就く気のない人がなる職業の位置づけのようだ。

 司書は端的にいえばスキルを習得することに特化した職業と言えよう。

 それにSPの分配が知力の為に魔法系スキルにも恩恵が出てくるようだ。

 それとスタートダッシュを決めるにはいいが、どこかで転職した方がいいとも書いてあった。


 職業はレベル10以上になると転職できるようになる。

 各地の教会に申請すればその場でやってくれるらしい。

 ただし、当然職業レベルは1からやり直しだ。

 それにSPもリセットされるので多用はされない。

 そのうえギルドの入会条件に職業があると退会を求められる場合がある。

 上位職も存在する様だがまだ未実装らしい。


 司書の話に戻る。

 魔法系の職業を選んだ人は司書を選ぶ。

 そして魔法スキル1つと読書スキルを最初の設定で取得する。

 そのあと図書館で魔法教本を読むことで魔法スキルを習得する。

 最初に魔法スキルを1つ取っておくのは、最初の町での魔法系ギルドへの所属が目的だ。

 そのあとは自分でほしいスキルの教本を読み、スキルを習得しながら司書レベルを10にする。

 そして転職するというのが司書を選んだ時の流れらしい。

 理由としては職業レベルのシステムだ。

 前にも話したが司書のレベルが10になってからなかなかレベルアップしなかったので、おそらく10ごとにレベルアップに必要な経験値がぐんと増えるのだろう。

 読書だけでレベルアップできるとはいえ本を読み続けるのには限界があるという事らしい。

 結果、司書は早熟でスタートダッシュにはもってこいだが続けていくのは推奨しない職業といった評価だ。

 

 ……あまり参考になるところがないな。

 テイマーはそもそも飼っている従魔に左右されすぎるので決まった構成がない。

 司書を辞めるなんてもってのほかだ。

 あまりにも自分のビルドが邪道すぎて、職業の特性は理解したが他の人の道筋では進んでいけそうにない。

 

 それならばと、パーティー構成について調べてみる。

 アタッカー、タンク、ヒーラー、バフ、デバフ、斥候などこちらもいろいろあったがやはり一番必要なのはアタッカーだろうか?

 今、俺のパーティーの一番の問題点は攻撃力が足りなすぎることだろう。

 足止めなどは俺とハーメルでできるだろうし、ヌエにかく乱を任せるのもありだろう。

 しかし、その間に攻撃をしてダメージを入れる担当がいない。

 迷宮都市までは冨士崎に任せるとして、そのあとを考えなければならない。

 ダンジョンで良い魔物をテイムできればいいのだが。

 

 調べていてわかったことなのだが、ダンジョンのモンスターは地上にいるモンスターと仕様が違う。

 感情AIを積んでいないようである程度パターンで動いているようだ。

 テイムは同じようにできる様だが、テイムに成功してから感情AIが載る仕様らしい。

 どのように感情AIが載るかは知らないが、それは後の楽しみにとっておこう。

 ある程度はテイマーに合う性格の感情AIが積まれるようだが、もちろん合わないこともあるようだ。

 そうするとモンスターが契約解除される場合もあるらしい。


 なので、迷宮都市のテイマーギルドでは捨てられた従魔たちを引き取り販売している。

 この言い方だと語弊があるが、なにも商売のためにやっているわけではないらしい。

 ダンジョンのモンスターは基本ダンジョンから出てこない。

 しかし、テイムされたモンスターはその限りではない。

 その為、際限なくダンジョンのモンスターが野に放たれると迷宮都市の周りがモンスターだらけになる。

 それを防ぐための処置という事だ。

 めったにないらしいが、飼い主が見つからなかった従魔は最悪、処分されるらしい。

 この捨てられた従魔から次の仲間を選ぶのもいいかもしれない。

 何よりこの話を見てしまったからな。

 できる範囲では何とかしてやりたいと思う。


 なにはともあれ1度迷宮都市に行ってみよう。

 図書館で読んでない本もあるがクローレンからのお願いもある。

 何かしらの移動手段を手に入れられたら絶対戻って読破してやる。

 それに明日は冨士崎との約束の日だ。

 早めに寝るとしよう。


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